映画『LOVEHOTELに於ける情事とPLANの涯て』は舞台のような作品?
澤本:この映画見てほしいんですけど、1時間半強、ほとんどワンカットを見ている感じなんですよ。で、終わっちゃったという。
三上:飽きないですか?
澤本:飽きなかったですよ。逆にワンカットだったから飽きなかったんじゃないですかね。ずっとある人の姿を覗き続けてる感じがあって。
三上:そうやって考えると通常の映画はカット割りしますよね。クレーン使ったりしながら楽しんでもらうわけじゃないですか。それはあまり意味がないということかな?
澤本:たぶんですけど、映画でカット割りすると、僕が気持ちを入れたい人にちゃんと誘導してくれるじゃないですか。でも今回の映画は、僕が人を選んで、その人に感情移入するから、その人ばかり見たりするんですよね。ある種、製作者側が意図したのと違った見方をしてるかもしれないんだけど、それが新鮮で面白かったですね。
三上:なるほどね、あれに近いのかな。昔、ライブビデオでアングルを選べるのがあったじゃないですか。
権八:それAVですか?
三上:え、AVであんの?
権八:あ、ごめんなさい(笑)。僕、AVでしか見たことないので。昔ありましたよね、最近あるのかな。
三上:ライブなどでよくあるけど、どの登場人物を見たいかを選んでいけるのもありですよね。
澤本:近いかもしれないですね。実際にそういう見方をしてた気がします。
権八:そうか、つまり、酒井若菜ちゃんがしゃべっていても三上さんのことを見ちゃってたり。
澤本:そう、どういう動作してるのかなと。
三上:あー、舞台でよく見る現象ですね。
澤本:だから舞台と近いですよね。
三上:好きに選べるのがね。こっち側の明かりを落としてるのに、そっちをオペラグラスで見てるおばちゃんいますもんね。それもいいかなと思うけど。
権八:いるいる(笑)。僕さっきソーダの制作部の渕上くんと見てたんですけど、難しいというか。要するに裏切りの連続で、伏線絡みまくって。
澤本:確かに後半になると、どこまでがどうなってるのかちょっとわからなかったです。
三上:ちょっと伏線盛り込みまくってるから、初見は大変ですよね。二度目見るとまた違う見方ができるので次にいけるんだけど。まぁ普通の映画は何度も見ないだろうけど。でも、ああいう映画があってもいいのかなと。
権八:三上さんはお芝居に対してものすごくストイックというか、確固たる哲学がおありですけど、出演作を決めるときはどういった基準で決めてるんですか?
三上:ほっといたらずっとやらないですよね。
一同:(笑)
権八:聞いてると凄いハードルが高そうで。
三上:全ての条件が揃わないとダメと言ったら無理ですもんね。だからどれか一点にしてます。脚本、共演者、監督、一点あればありがたいという。