役者は勘違いさせてナンボ(ゲスト:三上博史)【前編】

日曜劇場『集団左遷‼』に出演へ

権八:今回の『LOVEHOTEL に於ける情事とPLANの涯て』の監督の宅間さんとは前からのお付き合いですか?

三上:初めてです。今まで何の繋がりもないです。役者さんとしても一緒に共演したこともないですし、お会いしたこともなかったですね。

澤本:それなのにフラッとオファーが来たんですか?

三上:うん、不思議ですよね。プロデューサーが存じ上げてる方だったので、その繋がりで脚本をいただいて、読んで、これ面白いけど、どうやって撮るの? と思って。考えれば考えるほど大変で、一回会いましょうということになって。会ったら「もちろんワンカットで」と。えー!? じゃあ乗りましょうと。

澤本:ワンカットに興味をもったんですね。

権八:珍しい映画体験でしたね。

三上:どう見ていいかわからないもんね。

権八:ここに見出しがあって、「常識破りの長回し撮影による、驚異の全篇ハイテンション! [一時停止]・[巻き戻し]ができない映画館だから、この映画体験はクセになる!」と。たまたまなんですけど、先ほどソーダさんの会議室でデッキのリモコンが壊れていて、そういう状態で見たんです。本当は巻き戻して見たかったんですけど、これどういうことだっけと。

三上:そうそう。でもキリがなくなると思いますよね。

澤本:確かに、これどこと繋がってたかな、とやりだすとキリがないですよね。

三上:だからもう1回最初から見るしかない(笑)。超アングラですね。

権八:三上さんは舞台もやられてるんですか?

三上:やってますね。でも他の人からしたらやってるうちに入らないぐらい少ないです。年にいっぺんやれてないですからね。2年に一度ぐらい。もうしんどいんですよ。それこそヘドウィグという女装の話で、映画はいろいろな登場人物が出てくるんですけど、自分の歴史を全部1人で語るという一人芝居だったので。自分のコンサートという設定だから10センチ以上のヒールをはいて20曲のロックを歌って、一人芝居をして、週に8回公演ぐらいを何か月も続けるわけじゃないですか。もうもたないですよね(笑)。まぁ楽しい経験でしたけど。

澤本:そういう三上さんが今度、4月から日曜劇場をやられるじゃないですか。

三上:はい、今絶賛撮影中です。

澤本:チャレンジングな面白い映画に出てらして、その半年以内に日曜劇場に。日本のドラマの中だと視聴率もいいし、メジャーなTBSの日曜劇場に。相手が福山雅治くん。それって日本の中心に座る感じですよね。この異常なブレ方って凄いですよね。

三上:異常なブレ方(笑)。まぁ半端なところにはいきたくないですよね。そういう意味ではドッカーンいっちゃえと。日々悩みながら現場は過ごしてます。これも勉強だと思って。

澤本:今回の日曜劇場の『集団左遷!!』に関しては、自分的には何があったんですか?

三上:僕はテレビもずっとやってきてるんですけど、それこそWOWOWの連続ドラマも何本もやってきて、もちろんやりがいがあって、クオリティも高いし、丁寧につくってきたんだけど、今回の映画があって、どんどんそっちいっちゃってるなと。だから、こっちにバーンと戻さないとと。

澤本:戻り方が半端ないですよね(笑)。

三上:変な言い方だけど、数を打ちたくないというか。だったらドッカーン一発いったほうがよくて。それでしらーっとね。

次ページ 「役のリサーチで一番役に立つのは書簡集」へ続く

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