ラクして、ひらめく。これからの時代のミニマルアイデア発想法 ~その2「段取り」を捨てよう~

前回の記事「ラクして、ひらめく。これからの時代のミニマルアイデア発想法 ~その1「忙しい」を捨てよう~」はこちら

「企画にいろんなことを詰め込みすぎてアイデアがつまらない」「デジタル時代の生活者に何が効くか分からない」そんな経験はありませんか?
そんな時はいろんなものを「捨てて」みましょう。
このコラムでは、余計な思い込みを捨てることによってアイデアを生み出す、これまでになかった「捨てる」アイデア発想法をご紹介します。

「段取り」は仕事ではない

これまでは「段取り」がうまくできる人=仕事ができる人と言われてきました。

段取りとは歌舞伎や芝居の構成や展開から発生した言葉で、現在ではいろんな分野で事がうまく運ぶように前もって手順をととのえるという意味で使われています。

よく「準備8割・実行2割」や「段取り八分・仕事二分」というように、本番よりもその準備の大切さを説く言葉もたくさんあります。

しかし最近では、この事前準備の「段取り」があまりにも複雑・煩雑になってきているのではないでしょうか。

例えば、新しいプロジェクトを始めるときにプロジェクトチームを作るにあたっては、プロジェクト自体の承認や内容の設定などは縦のラインの関係者や役員の了承を得て、さらにプロジェクトメンバーそれぞれの上司やその部門のキーマンの了承を得てやっとスタートし、進捗報告も4半期ごとに必要となってくる……など、そもそもの目的とは直接関係のない作業に忙殺されるのが日常的になってきています。

また、いろんな情報を取ろうとして社内外のキーマンに話を聞こうとしても、まず紹介してくれそうな人を探すところから始めて、その人を介して紹介してもらい、スケジュールを調整して訪問し、挨拶をしてやっとお願いが始まるといった調子で、なかなか前に進むことができません。

そんなことをしている間に仕事の締め切りがきてしまい、普段通りのアイデアで終わってしまうというのが現実ではないでしょうか。

本当の目的にたどり着く前に、形式的な「段取り」で疲弊してしまっているというのは本末転倒であり、これはなかなか疲れる状況です。

そして、「段取り」が面倒くさいために目的自体をあきらめてしまうこともあるのではないでしょうか。


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アイデアは捨てるとうまくいく』(好評発売中)
著者:堀宏史
イラスト:ヤギワタル
価格:1,600円+税
体裁:四六判/212ページ
 

次ページ 「意外となくても何とかなる「段取り」」へ続く

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