ママ友のバーキンを羨ましがる妻が「本当に欲しかったもの」を知る方法

パーソナルな人間関係からソーシャルな問題まで、不満発見フレームが活用できる

結果的に、妻が自分に愚痴のように「友達はプレゼントをもらっている」と言っていたことは、表面的であり、問題の一部でしかなかったということです。それを真に受けてプレゼントだけをしても、成果である「妻の機嫌を良くする」ことは、根本的には解決できないということになります。

最初の妻の声は、先ほどのマクドナルドの例で言えば「健康志向のメニューが無い」といったお客さまの声と同じです。そのような表層的な不満に付き合うのではなく、紹介したように「お気に入りの事象」とその「価値」を糸口として、「本質的な不満」をひもとくことが大切なのです。

その2つを比べると次のようになります。違いがおわかりいただけると思います。

いかがでしょうか? 夫婦関係に限らず、身近な人間関係の問題にぜひ応用してみてください。

この「n=1お気に入り事象」の部分を、想定しているターゲットが気に入っている事象として考えれば、企業のマーケティング戦略や商品開発に援用することが可能になります。私たちも実際にこのようなフレームを使って企業のサポートを行っています。

また、最初に申し上げたように、ビジネスにも、さらには社会的な問題にも、この「価値を糸口として本質的な不満を知る」解決フレームは活用できます。次回は、そのような視点でもう少しこのフレームを掘り下げたいと思います。


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大松 孝弘(株式会社デコム 代表取締役)
大松 孝弘(株式会社デコム 代表取締役)

大手広告会社を経て、2002年デコムを創業。2006年に日本初のインサイトリサーチに関する書籍「図解やさしくわかるイ ンサイトマーケティング」を上梓する。株式会社デコムは、設立以来、一貫してインサイトリサーチによるアイデア開発を提供。近著に『「欲しい」の本質~人を動かす隠れた心理「インサイト」の見つけ方~』など。

大松 孝弘(株式会社デコム 代表取締役)

大手広告会社を経て、2002年デコムを創業。2006年に日本初のインサイトリサーチに関する書籍「図解やさしくわかるイ ンサイトマーケティング」を上梓する。株式会社デコムは、設立以来、一貫してインサイトリサーチによるアイデア開発を提供。近著に『「欲しい」の本質~人を動かす隠れた心理「インサイト」の見つけ方~』など。

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