パーソナルな人間関係からソーシャルな問題まで、不満発見フレームが活用できる
結果的に、妻が自分に愚痴のように「友達はプレゼントをもらっている」と言っていたことは、表面的であり、問題の一部でしかなかったということです。それを真に受けてプレゼントだけをしても、成果である「妻の機嫌を良くする」ことは、根本的には解決できないということになります。
最初の妻の声は、先ほどのマクドナルドの例で言えば「健康志向のメニューが無い」といったお客さまの声と同じです。そのような表層的な不満に付き合うのではなく、紹介したように「お気に入りの事象」とその「価値」を糸口として、「本質的な不満」をひもとくことが大切なのです。
その2つを比べると次のようになります。違いがおわかりいただけると思います。
いかがでしょうか? 夫婦関係に限らず、身近な人間関係の問題にぜひ応用してみてください。
この「n=1お気に入り事象」の部分を、想定しているターゲットが気に入っている事象として考えれば、企業のマーケティング戦略や商品開発に援用することが可能になります。私たちも実際にこのようなフレームを使って企業のサポートを行っています。
また、最初に申し上げたように、ビジネスにも、さらには社会的な問題にも、この「価値を糸口として本質的な不満を知る」解決フレームは活用できます。次回は、そのような視点でもう少しこのフレームを掘り下げたいと思います。
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