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絵コンテの前段階から、ディレクターとカメラマンが同じフロアに居ることで撮影手法や技術を気軽に相談し、クリイター同士の化学反応を生みだすことが狙いだ。
新しい環境で育つ若手クリエイター
取締役常務執行役員の河西正勝さんは始動からの1年間を振り返り、「社内外の皆さんからたくさんのお声がけいただき、順調な船出だったと思います」と語る。グループ内でなかなか芽が出なかったディレクターが社外の仕事で活躍するようになった例もあり、組織によい緊張感をもたらしている。
ディレクターの中野拓馬さんは「私はコーポレートムービーを手がけることが多いこともあり、なかなか作家性を入れられなかったのですが、セリフひとつでも自分っぽさを出せないだろうかと挑むようになりました。外部の人も含めて360°から見られていると意識が変わるものですね」と話す。
その成果として、TFCPlusPV「Find」で、シーンごとに違うフィルムタイプやTFCPlusのオールドレンズを使い撮影した絵画的なムービーを製作。デジタルとは違うカットワークや、被写体に自然と目がいくような映像を目指し、エフェクトギミックだけに頼らずに編集している。カメラマンの南部恵佑さんは「通常の仕事ではやりたくても出来なかった、経年劣化したフィルム撮影などに挑戦させてもらいました。
監督が近いと完パケを待たず、撮影に対するフィードバックをもらえるのが新鮮で、勉強にもなりました」と振り返った。
ディレクターとカメラマンによる新たな化学反応
また、SHISEIDO の「be an ARTIST」は、化粧品の巨大オブジェの中を何人もの女優が楽しげに行き交う姿を、カメラ10 数台とドローンを駆使してドキュメンタリー風に撮影した。ディレクターの平田大輔さんは、「4 面セットでライティングも難しかったので、カメラマンの遠藤道雄さんと機材を事前にシミュレーション&テスト出来たのは良かったです。新生OND°のようにカメラマンがそばにいれば、制作フローを超えた新たなトライアルの際も心強い。
今後は、ドラマや映画などの長尺ものや、ギミックに特化した専門性の高い作品などにも挑戦したい」と意欲をにじませた。ローソンを始め、平田さんとのコンビ指名が増えている遠藤さんは、「健全な社内競争が起こり、切磋琢磨を続けていく中で、ディレクターの方々が勝負をかけた案件が来た時にアサインしてもらえる自分でいたいですね」という。若手ディレクター、カメラマンの意欲は、これまで以上に高まっている。
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