ACジャパンは7月1日から、2019年度の公共広告作品の放送・掲載を開始した。今年は計22作品が制作された。
多くの人に共通する重要な社会問題をテーマに広告を制作し、全国のメディアを通じて発信する「全国キャンペーン」は下記2作品。
1本目は、家族で休日に近所の散歩を楽しみながら避難所などを確認することを「防災さんぽ」と名付け、日常の行動を通して自然災害に備えることを訴える作品。この作品では、昨年に引き続き、聴覚障害がある方の情報格差の解消を目指して、手話とオープンキャプションの字幕対応を行っている。
作品名「防災さんぽ」
・テーマ:防災
・企画・制作:大広 大阪本社
・制作協力:松森果林(聞こえる世界と聞こえない世界をつなぐUDアドバイザー)、廣川麻子(NPO法人シアター・アクセシビリティ・ネットワーク理事長)
・手話出演:南雲麻衣(アーティスト)
・放送・掲載エリア:全国
2本目は、2016年から「2020年、日本を考えよう」のスローガンのもと継続しているキャンペーンを展開。4年目で最後の年となる今年度は「リスペクト~多様性と思いやり」をテーマに、日本に住み日本の伝統芸能や文化を受け継ごうとしている外国人を通し、お互いを尊重する気持ちや多様性を認めようというメッセージを伝える作品を制作した。
作品名「認め合うことが、チカラになる。」
・スローガン:2020年、日本を考えよう
・テーマ:リスペクト~多様性と思いやり
・企画・制作:博報堂中部支社
・出演:桂三輝、スザーン・ロス、アート・リー
・放送・掲載エリア:全国
地域部門
また、各地域(北海道、東北、名古屋、大阪、中四国、九州、沖縄)が抱える問題の中から各々テーマを選定し広告を制作、各エリアのメディアを通じて発信する「地域キャンぺーン」7作品は以下のとおり。
■北海道
作品名「やらなくちゃ!は、ちゃんとやらなくちゃ。」
・テーマ:防災
北海道胆振東部地震で日頃の準備不足や事前の防災の必要性を改めて感じ、備えを後回しにすることなく今すぐ行動に移してもらうことを促す企画。
・企画・制作:電通北海道
・放送・掲載エリア:北海道
■東北
作品名「未来へ綴ろう、東北のこころ」
・テーマ:郷土愛
東北6県の作家・詩人がそれぞれに綴った一節を抽出し、リレーすることで東北全体が大切にしていきたい、受け継いでいくべき心を伝える企画。
・企画・制作:東北博報堂
・放送・掲載エリア:東北
■名古屋
作品名「知ってくれていた人。」
・テーマ:ヘルプマークの理解促進
ヘルプマークを付けている人の視点から、「マークを知っている人」の存在が如何に有難く、重要であるかを表現し、マークの認知と思いやりある行動を促す企画。
・企画・制作:電通名鉄コミュニケーションズ
・放送・掲載エリア:東海、北陸
■大阪
作品名「3時4時のうた」
・テーマ:子どもの安全
下校時の子どもの安全をテーマに、具体的な注意喚起を促し、誰もがそれぞれのやり方で自由に参加できる見守り活動を提案する企画。
・企画・制作:電通 関西支社
・振付:アカネキカク
・放送・掲載エリア:近畿
■中四国
作品名「防念会やろう。」
・テーマ:地域コミュニケーション
万が一の時にまず頼りになるのはご近所の助け合い。お茶会や清掃会など普段の集まりも大切な防災活動になることを「防念会」としてアピールした企画。
・企画・制作:電通西日本
・放送・掲載エリア:中国・四国
■九州
作品名「いつか来る日のために」
・テーマ:備災~災害を自分事に~
災害が起きた時に行動するのではなく、日々の準備・心構えが大切。備災の重要性を、日常で使用している「傘」をモチーフに伝えた企画。
・企画・制作:電通九州
・放送・掲載エリア:九州
■沖縄
作品名「1日1チムグクル」
・テーマ:ホスピタリティ~沖縄の宝を大切に~
「チムグクル(肝心)」という言葉は、沖縄の大切な精神であり宝。日々の生活の中でできる小さな思いやりを、「1日1チムグクル」というコピーで表現する企画。
・企画・制作:ブレーン沖縄
・歌・ナレーター:夏川りみ
・放送・掲載エリア:沖縄
公共福祉や医療・国際貢献等に取り組む非営利団体などにACジャパンの仕組みを利用してもらう広告を展開する「支援キャンペーン」では、「日本心臓財団」「日本対がん協会」「日本臓器移植ネットワーク」「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」「ウォーターエイドジャパン」「日本盲導犬協会」「ジャパンハート」「日本動物愛護協会」を紹介する8作品が制作された。
そのほか、ACジャパン制作のCMをNHKで、NHK制作のCMを会員民間放送で放送する「ACジャパン・NHK共同キャンペーン」1作品、会員校の学生が公共広告作品を制作し応募、表彰する「ACジャパン広告学生賞」2作品が制作、放映される予定だ。