現代の生活者に一瞬で指を止めてもらうために
そのためには企画書の「起承転結」を捨てましょう。
このアイデアが最終的にはどうなるのかを最初に提示して、あなたのアイデアの世界に引き込んでいくのです。最初にしっかりとみんなでゴールイメージを共有した上で、分析やストラテジー、具体案を聞くとぐっと実感がともなってきます。何より、最初の数分を聞くだけで全体像が把握できることで、よりスピーディーな判断をもらうことも可能になってきます。
そしてこれはコンテンツ自体も同じです。
現在私たちはスマートフォンで大量のコンテンツを毎日消費しています。特にスマホネイティブ・ソーシャルメディアネイティブの若い世代は、すごいスピードでスマホ画面をスクロールしています。
数年前と比べるとスマホのスクロールのスピードが速くなっているとも聞きますし、実際に他の人がスマホを操作している姿を見ていると、「えっ、そんなスピードで読めてるの?」というペースで情報をスクロールしていることに驚かされます。一説にはゼロコンマ数秒でそのコンテンツを見るか、スルーするかを判断していると言います。
こんな環境の中ではコンテンツも「起承転結」と言っていられません。まず「オチを最初に見せてしまう」ことが必要になってきます。そうして親指を止めてもらった上で、伝えたい要素をアピールする、そんな新しいストーリーラインを持ったコンテンツが今後さらに多くなってくるのではないでしょうか。
もちろん企画の目的としては、親指を止めるだけではなく生活者の心を動かして行動を促すことも必要です。ただ、まずは情報の洪水の中でいかにアテンションを獲得できるかの勝負に勝たないことには、その先に行けないことも事実なのです。
捨てる格言
企画書もコンテンツも
いきなりサビから始めよう
(次回の更新は7月12日予定)
書籍案内
『アイデアは捨てるとうまくいく』(好評発売中)
著者:堀宏史
イラスト:ヤギワタル
価格:1,600円+税
体裁:四六判/212ページ