【前回】「#SXSW2019日本から世界に挑む!日系企業出展事例④:シチズン時計」はこちら
今回は、SXSWインタラクティブ部門のトレードショーに出展した日系企業の中から、バンダイナムコスタジオとバンダイを紹介する。
バンダイナムコスタジオ、バンダイ
「AIゲーマー」に人だかり 海外特有の反応の良さに手ごたえも
バンダイナムコホールディングスからは、バンダイナムコスタジオとバンダイの2社が出展した。
バンダイナムコグループの研究開発を担うバンダイナムコスタジオは、最新技術のアピールを目的として参加。展示したプロダクト「AIゲーマー」はゲームをプレイするAIロボットだ。ロボットは「XEVIOUS(ゼビウス)」というシューティングゲームをプレイしており、失敗すると悲しい顔をするなど、愛嬌がある。バンダイナムコスタジオ コーポレート統括本部 経営企画部 経営企画課 樺島脩氏は「特に説明をしていなくても次々に人が集まり、写真や動画を撮影している光景を見て、ポジティブな影響があったと感じています。
AIのゲーマーとしてのゲームの腕に注目が集まるかと考えていましたが、そもそも全体の見た目やロボットがプレイしていること自体が注目されているようでした」と、反響を語る。続けて、「評判が良かった要因を社内で検討し、次回以降の展示に生かしたい」と話した。
そのほかバンダイナムコスタジオは、エンジン音を生成できる「ESS(エンジンサウンドシンセサイザー)」も展示。主にゲームサウンドとして使用している技術だが、バンダイナムコスタジオ 未来開発統括本部 クリエイティブデザイン本部 クリエイティブデザイン部 CD2課 市野塚朝氏は、「エンジン音のしない電気自動車に対し、乗車の高揚感を高めるための音として活用していきたい」と展望を語った。
バンダイは、子どもが遊びながらプログラミングを学べる「アルゴロイド」を展示。2020年から小中学校で必修化されるプログラミング教育に向け、ゲーム性を持つ教材として開発した。SXSWへは、日本での評価が高い一方で、海外ではどのような反応が得られるのかを検証するために出展。業界関係者だけでなく、幅広いバックグラウンドを持った参加者からさまざまな意見が得られることを期待した。
「アルゴロイド」をプレイした参加者の様子について、バンダイ 新規事業室 新規チーム 豊田淳氏は「日本とは違い、海外の方は感情表現が豊か。年配の方にも非常に盛り上がっていただくことができた」と話す。出展3日目で300枚程度のアンケートが回収できたことから、今後の展開はアンケートの内容をきちんと読みながら検討したいとしつつも、「『アルゴロイド』に関しては、国籍や国民性に関係なく展開していけるのではないか」(豊田氏)と期待を寄せる。今後も、得られた反響からターゲットを絞り込み、適切な展示会を選んで出展を続ける見込みだ。