【前回】「#SXSW2019日本から世界に挑む!日系企業出展事例⑦:三菱電機」はこちら
今回は、SXSWインタラクティブ部門のトレードショーに出展した日系企業の中から、GROOVE Xを紹介する。
GROOVE X
愛されるロボット「LOVOT」
“Kawaii”だけでなく教育観点で訴求し世界の教育市場に挑戦
トレードショー会場の中で、「LOVOT(らぼっと)」を展示したGROOVE Xのブースは、女性や子ども連れの来場者が多く、ひときわ賑わいがあった。すでに海外大手メディアでも広くニュースとなっている「LOVOT」は、教育市場にも進出を検討している。
同社クリエイティブ・ディレクターの布施氏は、今回の出展の経緯について「今年1月に出展したCESでアワードを2つ受賞し、『LOVOT』の“かわいさ”訴求に対する米市場の反応は想像以上であった。この成功から、SXSWへの出展を決めた」と話す。
しかし同じ訴求ではマーケットから新しい反応を得ることは難しいと考え、「今回は“かわいい”だけではない『LOVOT』の存在意義をアピールしようと考えた。そこで、教育×テクノロジーを訴求点とし、世界から1万人の教育関係者が来場するイベントであるエデュテックに特化したカンファレンス『SXSW EDU』に出展した」と語った。
教育×テクノロジーを訴求点としたきっかけは、日本での体験会で子ども連れの人からの「うちの子は普段片付けをせず、周囲の人に世話を焼かないが、『LOVOT』には世話をしていて驚きと嬉しさを覚えた」というフィードバックだという。
SXSW出展の成果について、「日本では、圧倒的に“かわいい”という評価が高くなるが、本出展では『ソーシャル・エモーショナル・ラーニング』、『思いやり育成』、『スペシャルニーズ(発達障害)』など、子どもの教育に対する活用に好感が高い結果となった。この結果と反応を日本に持ち帰り、体験会やプログラム更新に反映させたい」(同氏)という。
そして、将来的には「『LOVOT』を通じ、『最先端テクノロジーで本質的に人の心を満たす』というカテゴリーを世界でつくっていきたい」(同氏)と語った。
「LOVOT」は今年秋冬にまず日本でローンチする。その後、東京オリンピック期間を中心に外国人観光客にも訴求し、オリンピック後には世界進出する予定だ。
出展後、同社は上記の成果を共有する報告会を東京で開催。「LOVOT」の新しい可能性と現地でのアンケート結果が紹介された。“かわいい”だけではない「LOVOT」が、世界にどのように羽ばたいていくのか、目が離せない。