【前回】「#SXSW2019「Innovation Boot Camp in Texas」の魅力は毎年成長を続けるSXSWと視察研修(本間充)」はこちら
本視察研修「Innovation Boot Camp in Texas」に参加した3名のレポートを紹介。本記事では、フジミック システム開発センター システム開発3部 兼 社長室 企画部 スペシャリストの川島貴司氏のレポートを掲載する。
イノベーティブな現地企業で体感した「アイデア創出」のノウハウ
オースティンという土地の特性に興味があり、SXSWの視察に加え、現地企業の視察も行いたいと思っていたことから参加を決めました。
フジミックは、フジサンケイグループのIT企業として、フジテレビの放送関連システムやネットワーク構築、デジタルコンテンツ制作などを行っています。僕はスマートフォン向けの新規事業の創出に携わっているのですが、社内にアイデア創出のノウハウがないために思うように進めることができませんでした。そこで、どうすれば、これまでは振られた仕事ばかりをこなしてきたエンジニアに好奇心とモチベーションをもってゼロから新たな発想をしてもらえるかを、視察研修を通して学びたいと考えました。
また、当社には業種の異なるグループ企業が複数あります。事業の可能性を広げるために、これらの共創を推進する方法も学びたいと考えていました。
企業視察を通し、イノベーションの裏側を学んだ
現地の企業視察で訪れた企業はIBM Studios、Third Ear(元LatinWorks)、R/GAの3社です。
IBM Studiosでは、IBMが2012年の業績悪化をきっかけに、デザインシンキングという考え方を導入したことを学びました。デザインシンキングとは、多様性のある地域で共創を行うためのフレームワーク。顧客と一体となってデザインシンキングを行うことで、スピード感を持って新たな企画を創出し、サービスを構築しているのだそうです。オフィスもデザインシンキングが生まれやすい環境になっており、どこへ行っても付箋が貼ってあったことが印象的でした。
ラテン系アメリカ人に特化したマーケティングコミュニケーションを行うThird Ear(元LatinWorks)では、「Speak Human」というメッセージが心に残っています。エンジニアをメインとする会社はコミュニケーションが苦手な傾向にありますが、人とコミュニケーションをとることでクリエイティブが生まれ、イノベーションへの近道となるのだということをこのメッセージから感じました。
R/GAはもともと広告エージェンシーですが、プラットフォーム開発や経営コンサルティング、ベンチャー企業との協業も行っています。顧客の要望を受けてから提案、プロトタイプ制作、広告までを、クライアント、営業、エンジニア、クリエイターが一体となって行うことでスピーディーなイノベーションを実現しているのだそうです。
SXSWではシャワーのように情報が降りそそぎ、参加者それぞれが異なる経験を得られる場所だと感じました。次は出展者としてアウトプットし、失敗しても見直し、再挑戦することを繰り返していきたいと考えています。
川島貴司氏
フジミック
システム開発センター システム開発3部 兼 社長室 企画部 スペシャリスト