レシートデータの収集で正確なユーザー像が浮き彫りに
今年7月に15周年を迎えた「おサイフケータイ」などで知られるモバイルFeliCa技術とプラットフォームの提供に加え、レシート関連ビジネスも展開するフェリカネットワークスは、レシート活用を促進する目的でセミナーを開催した。
セミナーにはアウトブレインやアビームコンサルティングで顧問を務める本間充氏が登壇。「やみくもにマスマーケティングを行っても、以前ほどの成果は得られなくなっている。
今の時代は購買者のデータを分析し、一人ひとりの顧客、つまり“個客”像を理解することが重要」と語った。
今やデジタル上では、アクセスログや購買ログを追うことで購買の検討や意思決定といったカスタマージャーニーを可視化し、個客像の理解に役立てられるようになっている。
一方で、「日常消費の94%がオフラインでの購買にも関わらず、オフラインの購買データは圧倒的に足りていない」と、フェリカネットワークスの多田順氏は指摘。そこで同社では、レシートを撮影して記録する家計簿アプリに出資し、オフラインの購買データをレシートから収集、活用するサービスを2016年に立ち上げた。「この手法であれば、ユーザー軸で購買を追うことができ、自社商品だけでなく、日用品や外食など日常生活のすべてのデータから個客理解がさらに進む」(多田氏)。
続いて、レシートのデータから顧客分析を行った事例として、ライオンのボディーソープ「hadakara」の取り組みが紹介された。
ライオンの阿曾忍氏は、「マーケティングを行ううえで、客観的なブランドの評価を知ることは重要」としながらも、「グループインタビューやデプスインタビュー、POSデータなど従来の情報収集手段では、そのカテゴリーや自社の話が中心となり、カテゴリー外でブランドと関連性のある情報や競合他社の状況は見えない」と指摘。
そこでレシートデータから、競合を含めた全4ブランドの購入者を分析した。各ブランドの購入者数、購入が多い曜日、リピート率のほか、各ブランドの購入者が利用する外食店といった内容から、各ブランドの購入者の傾向が見えてきたという。さらに、各ブランドを調査期間中に5回以上リピートしているファン層を発掘。すると、性格や仕事への姿勢、こだわりなど、具体的な人物像も浮かび上がった。
「インタビューでは、無意識的な行動はなかなか拾い上げられず、ネガティブな思考も反映されにくい。しかし、レシートデータからは、事実から正確なユーザー像があぶり出されたという手ごたえがあった」と、阿曾氏は話した。また、「hadakara」のファン層と近い他カテゴリーの商品も明らかとなり、相互送客をねらったコラボレーションなどの新たな可能性も見えてきたという。
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