「この子いいな」と思った子はだいたいどこかの局に採用される
中村:ぶっちゃけトークになるんですけど、選考のときに「私は活舌がいいから抜けてる」と思っていたり?
宇賀:活舌は訓練すれば絶対に良くなるので、そういうところじゃないかもしれないですね。私も後輩たちの採用をお手伝いすることがあってよく見てるんですけど、この子いいなと思った子はだいたいどこか受かってますね。
中村:何なんでしょう、それは?
宇賀:うーん、やっぱり感じがいいんですよ。ものすごく何かが秀でているとかではなくて、誰も不快にさせない感じの良さがあるんですよね、この子いいなと思わせる雰囲気というか。
澤本:それは局によって違うということじゃなくて?
宇賀:だいたい良いなと思った子はどこかの局に入ってます。
権八:宇賀ちゃんもめっちゃ感じがいいわけじゃないですか。
宇賀:ははは(笑)。
中村:豪快にしゃべりながら、ストロングゼロも2杯目に入って(笑)。
権八:こんな感じのいい人いないですよ(笑)。でもなかなか学生に対して「感じよくしろ」と言ってもできないからね。難しいですよね。
澤本:もって生まれたものがあるからね。
権八:宇賀ちゃんはどういう子だったんですか? ネットではバレーボールや応援を一生懸命やっていたと書いてありましたけど。
宇賀:いろいろ調べてくださってるんですね、ありがとうございます。小学生のときはクルクル回すバトン部で、クラブチームでバレーボールをやって、中学は吹奏楽部で、高校が応援団で、大学がテニスサークル。ひっちゃかめっちゃかなんですよ。
権八:高校が応援団というのが引っ掛かりますね。チアリーダー?
宇賀:野球の応援に行くとチアリーディングもするんですけど、基本的には体育祭で学ランを着て、「フレー」とやるような本気の応援です。特に私の学年は男性より女性のほうが多くて。朝から晩まで練習して声枯らして喉潰して、男の先輩が顔の目の前まで来て、「おめー声ちいせーよ」と怒鳴られるような、本当に体育会系の部活だったんでよ。なんでやってたのか、いまだにわからないんですけど。
澤本:なんで入ったの(笑)?
宇賀:たぶんチアリーディングに憧れて入っちゃって、怖くてやめられなかったんですよ。3年間やりました。ただ、他の人と違うことをしたかったというか。「小学校から大学まで野球やってました」というほうがかっこいいと思うんですけど、私はいろいろなことをやりたいタイプで、高校では違うことをしたいと思ったときに面白いなと一瞬思っちゃったんでしょうね。
権八:面白いですよね。こんな子が学ラン着て、フレーフレーとやってたらギャップが。
宇賀:ビックリしますよね。私の結婚式のときとか、いまだに高校時代の同級生がドレス着てるのに「フレー」ってやってくれるんですよ。まわりの人は、みんなそれを見て感動して泣きます。女の子があんなに口開けて、体震わせて大声出してるの初めて見たと言って。
中村:入社当日に抜擢された後はとんとん拍子で活躍していって、朝の顔からバラエティまでやられた宇賀さんですが、一番自分に合ってたジャンルは何ですか?
宇賀:部活の話もそうなんですけど、2、3年やると次のことをやりたくなっちゃうので。報道ステーションでもお天気やった後にスポーツにいって。スポーツにいったときは野球もサッカーもルールを知らなかったんですけど、ゼロから勉強して好きになって、いっぱい取材も行かせていただいて。スポーツもある程度できるようになったかな、というときに朝にいって。バラエティが増えて。
2、3年ごとに職場が変わるというか、転職したのかってぐらい仕事の内容が変わったので、10年間充実していて全部面白かったですよ。どれが1番と決められないぐらい。
権八:それは自分で希望してそうなったんですか?
宇賀:いえいえ。もちろんこうなりたいと言うのは自由ですけど、それで変われるわけではないので。たまたまでしたよね。
権八:報道ステーションは古館さんの頃ですか? 古館さんって優しいんですか? ざっくりした質問ですけど。
宇賀:プロフェッショナルですよね。ご自分にも厳しいし、本当に勉強されていて、反省会や打ち合わせもしっかりされていたし。
権八:そんなに10年間充実して、逆に言うと、なんで辞めちゃったの?