“老舗”のポジション確立へ
新生・湖池屋の目指すべきは、ポテトチップスの老舗という企業ポジション。そのために、経営トップが先頭に立ち、大がかりな変革を実施しました。創業時から楕円の形でおなじみだったコーポレートマークは、老舗として家の紋を意識し、六角形の中心に「湖」を文字化したハウスマークに大きく変更しました。六角形には、これまでのコアバリューであった「親しみ」「安心」「楽しさ」に、「本格」「健康」「社会貢献」を加えた新生・湖池屋のコアバリューも表現しています。
新生・湖池屋の始動にあたって共通認識をつくる社内向けのブランディング施策としては、企業の考えやルールをまとめたブランドブックを制作して全社員に配布しました。また、社屋も一新し、料亭のような門構えや老舗旅館のような玄関に変更しています。「湖池屋にはポテトチップスをつくる料理人がいる」というイメージをまず社内に植え付け、お客さまに対しても根付かせていきたいという考えが元になっています。
さらに、企業のスローガンを「イケイケGOGO!」というフレーズに設定しました。これは湖池屋が1970年代に放映していたテレビコマーシャルから着想を得ています。「イケイケGOGO!」という勢いのあるフレーズであることや、チャレンジ精神やパイオニア精神を重視してスローガンとして採用しました。「社会や環境の変化を先取りして、新たな食文化の創出を」と考える新生・湖池屋として、「新しいほうへ、イケイケ!」と。「高い壁にこそ立ち向かう、お菓子のチャレンジャー」ということで「難しいほうへ、イケイケ!」、「スナックの楽しさを忘れない、遊び心のあるブランドに」ということで「面白いほうへ、イケイケ!」と。社員が仕事をする上での共通認識として、この3つの意味がスローガンに込められています。
変革はコーポレートマークや社屋、スローガンにとどまらず、社章や名刺、紙袋、封筒に至るまで行われました。紙袋も国産紙を使用するという徹底ぶりで、一つひとつのこだわりが社内の変化につながっていくと考えました。まず頭のなかを変えることで、見た目が変わり、生活が変わってきて、行動が変わっていくという流れを意識しています。