V字回復を生んだ、幸楽苑の「経営と広告の統合プロモーション」が大賞 — JPM プランニング・ソリューション・アワード2019の受賞作品が発表に

日本プロモーショナル・マーケティング協会(JPM)は8月23日、同協会が主催する「JPM プランニング・ソリューション・アワード2019」の入賞作品を発表した。

「JPM プランニング・ソリューション・アワード」は“生活者を購買行動に向けて実際に動かした優れたプロモーション”を表彰するもので、2019年のベスト3賞(全部門横断の上位3作品)は以下の通りに決定した。

プロモーショナル・マーケティング大賞

幸楽苑「幸楽苑のV字回復を生んだ『経営と広告の統合プロモーション』」(応募会社:博報堂)

【企画内容・成果】
32億円の赤字計上から上場廃止危機にあった企業の立て直しのために、社長とマンツーマン体制を敷き、経営と広告を連動させた改革を実行。キャンペーンやプロモーションの域を超え、味の改革から働き方改革まで、経営領域との連動・統合による集客サイクルを回す統合プロモーションによりV字回復に貢献した。

【講評】
商品開発、メニュー改訂、集客の施策、従業員のモチベーションUPまで、一連の施策をプロモーションで統合し経営立て直しの成果につなげた点。特に従業員のモチベーションUPは、顧客のブランド体験への影響が大きく、リピート顧客醸成のキーポイントといえる。あらゆる企業が求めている課題であり、これを克服した点が高く評価された。

ベスト・プロモーショナル・プログラム賞

三菱自動車工業「検討者と開発者のリアルライブ対話『NIGHT SHOWROOM』」(応募会社:博報堂)

【企画内容・成果】
SUVブームの熾烈な競争の中で、新型エクリプスクロスに関して検討者が知りたい質問を開発者が本音で回答するという双方向対話をネット上で伝え、リアルタイムで共有している検討者も含め、理解を促進し購入意向を高めることで、お店に来店していただき購買まで繋げた。

【講評】
本手法が想像以上の圧倒的な販売への貢献と成果を数字で実証したことにより、「三菱は開発者の会社だ」ということを、三菱CEOから工場現場作業員まで全インナーが再認識し、このプログラムを国内の別車種、さらには海外展開まで発展させるに至ったことが高く評価された。

ベスト・プロモーショナル・クリエイティブ賞

日本フィルハーモニー交響楽団「耳で聴かない音楽会」(応募会社:TBWA\HAKUHODO)

【企画内容・成果】
音も光も振動も全て波からできていることに着目し、聴覚障害者でも音楽を楽しむことができるように、音を光や振動に変える音楽装置SOUND HUGを独自開発。音楽を身体で聴くという体験を生み出し、新しいカタチのコンサート「耳で聞かない音楽会」を開催した。

【講評】
様々な分野でダイバーシティが叫ばれ、人々の個性を認め合う世の中。コンサートとは無縁の日本では550万人と言われる聴覚障害者に、コンサートを身体で聴くという新しいカタチのクリエイティブ創造により体験価値を提供したことが高く評価された。

今回の応募企画総数は66点。また、今回よりベスト3賞の選出は守口 剛(早稲田大学教授/日本PM学会会長)、天野 衣恵(資生堂ジャパン/JPM協会 理事)、谷口 優(宣伝会議 「宣伝会議」編集長)、藤井 一成(前年度「JPM The Planner」受賞者)、近野 慎一(プランニング・ソリューション・アワード委員会 委員長)の5名の外部審査員が審査・決定した。

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