APEXはなぜ熱狂的な顧客を獲得できたのか?POLAが実践するコミュニティマーケティングとは【前編】

「指名買いブランドになる」という目標を設定

前田:そこで、プロジェクトが立ち上がったわけですね。プロジェクトには必ず目標を掲げますが、このときのプロジェクトの目標はどのように設定されたのでしょうか?

菅:「指名買いブランドになろう」というのが、全員の掛け声・目標でした。

前田:このプロジェクトがスタートしたのが2015年。プロジェクトはスケジュールを切って進めていくものですが、「指名買いブランドになる」という目標を達成するスケジュールはどのように設けられたんでしょうか。

菅:APEXが1989年に誕生して以来、大きな設備投資が必要なフルモデルチェンジはだいたい5年に1回行ってきました。このプロジェクトの完了は、本来は2014年の7月だったはずなんですが、夢半ば敗れまして、次の5年間でまたチャレンジしようという、私にとっては10年間のチャレンジになります。

前田:2019年で、菅さんの構想に環境がやっと追いついてきた。実に5年越しのプロジェクトということだったんですね。

(次回、プロジェクトが実際にどう進んだかは、8月30日の後編で公開予定)

「アペックス」ブランドマネージャー
菅 千帆子

1991年、ポーラ化成工業に入社。
研究員として「肌・こころ・からだ」の心理生理学的研究に関わる。
1994年には世界トップレベルの化粧品の学術大会IFSCCにて、「化粧とこころの関わり」を科学的に解明し「最優秀論文賞」を受賞。
2001年、㈱ポーラに異動。
現在は個肌対応ブランド「アペックス」のブランドマネージャーとして、肌分析技術の企画設計や商品開発、
販売促進、物流等を全体統括、社内組織を横断的にマネジメントしている。

 

前田 考歩氏
プロジェクト・エディター

自動車メーカーの販売店支援兼グリーンツーリズム事業、映画会社のeチケッティング事業、魚の離乳食的通販事業、テレビCM制作会社の動画制作アプリ事業など、様々な業界と製品のプロジェクトマネジメントを行う。子どもの探究心を育む「なんで?プロジェクト」。企業のイベントやセミナー設計のための共通言語をつくる「イベントモジュールプロジェクト」などを主宰。宣伝会議では、「web動画クリエイター養成講座」、「展示会出展実践講座」、「提案営業力養成講座」などの講師を担当。

 


書籍案内
予定通り進まないプロジェクトの進め方
ルーティンではない、すなわち「予定通り進まない」すべての仕事は、プロジェクトであると言うことができます。本書では、それを「管理」するのではなく「編集」するスキルを身につけることによって、成功に導く方法を解き明かします。

 

『予定通り進まないプロジェクトの進め方』 対談バックナンバー
プロジェクトは発酵させよ!「発酵文化人類学」の著者が語るその意外な共通点とは(2018.05.22)

今の時代に求められているのは「ものさし自体のクリエイション」である(2018.06.01)

「マニュアル」を捨て「レシピ」を持とう(2018.06.11)

プロジェクトのようにドキュメンタリーを撮り、ドキュメンタリーのようにプロジェクトを進める(2018.07.17)

「子育てプロジェクト」はキャリアアップのチャンス【マドレボニータ・吉田紫磨子×前田考歩】(2018.08.22)

「物語」はプロジェクトを動かす原動力になる(2018.09.20)

“最大の効果を出すチーム”は、管理ではなく会話でつくられる【ピョートル・フェリクス・グジバチ氏 前編】(2018.09.27)

結果が出る楽しい会社は信頼関係がつくる(2018.09.27)

日本人には会議を進めるOSがインストールされていない?【ナガオ考務店・長尾彰さん】(2018.10.22)

コミュニケーションは「コスト」ではなく「インベスト(投資)」である(2018.11.8)

子育て経験は最高のプロジェクト管理シミュレーションである(2018.11.15)

仕事を楽しみ、仕事で遊び、「自由な働き方」を手に入れる(2018.11.22)

動画による社内エンゲージメント向上プロジェクトは、どう進んだのか?(前編)(2019.02.18)

動画による社内エンゲージメント向上プロジェクトは、どう進んだのか?(後編)(2019.03.12)

いいプロジェクトとは、次に生まれるものの種が見つかるプロジェクト【安斎勇樹×前田考歩 前編】(2019.03.12)

「答えのない「問い」は、創造的コミュニケーションを生む触媒【安斎勇樹×前田考歩 後編】」(2019.05.30)

「人々の生活や街に溶け込むモビリティをつくる TOYOTA「未来プロジェクト室」の挑戦」(2019.06.4)

「ゲームデザインでもプロジェクトでも、「記録」が役に立つ」(2019.06.28)

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