日本経済新聞社「日経スマートクリップ」
効果が見えにくく、コストセンターと捉えられがちな広報部門や経営企画部門では今、対外的な広報活動を積極的に行う“攻める” 広報組織への変革が喫緊の課題だ。ビジネス環境の変化が急速に進む中で、広報活動は多岐にわたっているが、組織変革には新聞記事の切り抜き作業などの既存業務の整理と業務改善が欠かせない。
広報が知っておくべき著作権
第一部では「次世代広報リーダーのための情報活用戦略」と題し、東京都市大学 都市生活学部准教授の北見幸一氏が講演を行った。北見氏は「企業広報力調査2018」(企業広報戦略研究所調べ)の結果から、BtoB企業の広報活動について「情報収集力、戦略構築力、情報創造力に課題がある」と指摘。価値ある情報のポイントとして「将来の予見につながる」「企業の存在意義につながる」「ファクトベース」の3つを挙げ、社内に情報共有する重要性を語った。
続く第二部では「新聞記事著作権と社内での効率的な共有」をテーマに、日本経済新聞社 デジタル事業 情報サービスユニットの松吉裕太氏が登壇。広報担当者が知っておくべき著作権の基本を解説したのち、クイズ形式で9つの質問を列挙。「記事を切り抜いて掲示板に貼り出し(可)」「記事をコピーして会議で配布(不可)」など、シーン別に著作権への理解を深めた。あわせて「通常の広報業務はデジタル化して効率化し、余剰時間で攻めの広報活動に注力しましょう」と呼びかけた。
記事内容の分析から戦略策定
第三部では、「三菱重工 広報部が実践する情報共有~攻める広報~」と題した講演を実施。三菱重工業 グループ戦略推進室広報部次長の末松博之氏が登壇した。同社では2015年からグローバル広報戦略を強化している。さらに2018年からはPESO視点で顧客接点を拡大。デジタルマーケティングの手法に基づき、優れたコンテンツから登録サイトへ誘導し、三菱重工グループに興味を持ったユーザーのデータベースを用いてマーケティングやセールスに寄与する取り組みを進めている。
同時に、日本経済新聞社が提供するデジタルクリッピングサービスの「日経スマートクリップ」を使って自社に関連するニュースを自動収集し、AIを用いた評判分析と記事の論調を踏まえた広報戦略に着手。国内のみならず、海外の報道に基づく国別のトレンド分析に取り組んでいる。
「広報分野におけるICTを積極的に活用することで業務の効率化とリードタイム短縮、セールスへの貢献を実現することがゴール。今後も、コーポレートマーケティングからプロダクトマーケティングにつなげる流れを形成していきます」と末松氏は話している。
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