動画編集ではキャプションに時間をかける
権八:僕が知るきっかけになったのは、お持ち帰りの。
くつざわ:お持ち帰り待ちしてる女の子みたいな。
権八:鼻息でわからせるだっけ(笑)?フリもうまいんですよ。つまりコピーもうまいんですね。
澤本:タイトルがいいよね。
くつざわ:あのキャプションも実際にそういう状況にあったことがある人って少ないと思うんですよ。私もないし。
権八:本当ですか?
くつざわ:本当にないです。なので、こういうのをもしかしたらやるだろうなという憶測のうえでの動画なんですけど、下唇をかんだり、くねくねしたりするのって、キャプションで文字にして表さないと人間はそこを見ないじゃないですか。だからあえてキャプションで人の目をそこにもっていくことで、「あ、この動き方もしかしたらあるかもしれない」という思考にもっていくんです。だから毎回、動画をあげるときのキャプションは結構時間を使って考えてますね。
澤本:それコピーライターだね。心理学入ってるしね。凄いね。
権八:コピーを読んでる時間も支配するというか、読ませておいて、理解させて、前ふりにしてちゃんとオチを動画でつけると。だからCMプランナーでもあると思うんです。動画のプランナー。いつもうまいんですよね。カラオケ屋の店員さんで、手が上がったまま下がらなくなっちゃった人のまねとかね。つまり、前ふりでちゃんと書いてあるからそう見ちゃう。まんまとくつざわの手の平のうえで僕たちは……。
くつざわ:コロコロされてます(笑)。
澤本:確かに書いてあると、「そういう人がいる」という前提で見るもんね。
くつざわ:そうです。本当はいないかもしれないんですよ。ただ、いる思考になっちゃうので、そのおかげで拡散されてます。ありがたく。
中村:たぶんみんな“あるある”のような共感でシェアしたいから、いいねやリツイートをしてるのかもしれないけど、確かに実際は見たことない、空想上の共感というかね。
くつざわ:そうなんですよ。
権八:どうだろう、でも本当かなぁ。くつざわさんは全くこんなはずないと思ってやってないでしょ。こうだろうなというか。
くつざわ:そうですね、ある程度こうだろうなというのは。
権八:それをつくるときに自分が見聞きしてきたいろいろなことを総動員してつくってるでしょ?
くつざわ:私の大学が女子大で、そうすると男の子の話が多いじゃないですか。あのサークルのあの人と今仲良いんだとか、そういう話が多くなって、私はそれを横から聞いて観察しながら、なるほどねとメモしたり。
あと実家が飲食店なんですよ。バイト先も飲食店で、そういうところだといろいろな若い男女の行動が目に入るんです。そういうのを見て、いい動きだと思ったら、すぐトイレに入ってメモするんですよ。それをある程度誇張したうえでキャプションつくって、動画をつくって編集して、初めて見た人がわかりやすいようにしてからツイッターにあげてます。そうすると拡散されやすいですね。