「宣伝会議インターネット・マーケティングフォーラム大阪2019」が、2019年7月11日(木)に大阪・梅田で開催された。顧客を起点にしたマーケティング活動はもちろん、バリューチェーンの考えをふまえて、今日的なインターネット活用のアイデアと実践の方法を探った。イベントは、Peach Aviation千歳敬雄氏とヤッホーブルーイング佐藤潤氏の「デジタル/リアル エンゲージメントの最大化~コンテンツの工夫と体験価値~」のオープニングセッションにてスタートした。本記事では、一部講演についてレポートする。
広告やECなどと組み合わせる「AR」が次世代のインフラに
20年前と比べて情報量が6500倍に増えている現在にあって、情報の取得側も発信側もどのように情報と向き合えばいいかという課題がある。そこで、スターティアラボの増田氏が「なぜ今AR(拡張現実)の導入が進んでいるのか~誰でもわかる、事例を用いた実践マーケティングセミナー~」と題して講演。
従来までは数千万円の開発費が参入へのハードルとなっていたが、AppleのARKitやGoogleのARCoreなどのクラウドサービスの登場、そして空間認識のARを実現するSDKのリリースによって開発の障壁も下がってきている。「世界的にARの革新的な開発が行われていますが、広告やECなど従来あったものにARを組み合わせる手法も増えている」と増田氏。
ARは拡張現実と訳され、現実世界が主体となって、そこにデジタル情報を組み込むことによって現実世界を拡張させる技術で、現在ではスマートフォンによる利用が多い。2016年にリリースされて10億以上ダウンロードされたポケモンGOが話題になったが、ARはGPS型、空間認識型、マーカー型の3種に分類される。
「当社には1800社の導入事例があり、普及段階においては活用自体がゴールになっているケースが多かったが、課題解決のためのツールとして利用されてきている」。ARの今後としては、来年には100万人がARでショッピングをして、2022年には10~16兆円市場になると言われている。5Gの普及によって益々導入が進むARは、マーケティングのあり方を変える次世代のインフラになりうる。