認知から購入、さらに購入後までコマース起点のCXが重要に
メーカーに小売りと多様な登壇者が参加したカンファレンスは6部の構成。
1部には元am/pmジャパン代表取締役社長の相澤利彦氏とローソンの小林敏郎氏が登壇した。am/pmジャパン時代に「分析社長」と呼ばれていたほど、データを利活用してきた相澤氏が、ローソンの小林氏とともに議論を繰り広げた。ローソンでは、約200億件の売上データを内包したプラットフォームを保有しており、一部メーカーとはすでにデータをシェアしているという。小林氏は「当社のデータをメーカーの方と共有し、互いにとってメリットある活用を進めていきたい」と参加者に呼びかけた。
2部には花王 事業戦略推進部門EC事業開発部マネージャーの生井秀一氏と電通の神野潤一氏が登壇。売上とブランディングを両立させる、花王のコマースマーケティングの取り組みが紹介された。生井氏は「花王においてECは単に売上拡大だけを目的にしていない」と話し、今後は「トリプルメディアとショッパーメディア(ECサイト)を融合したコミュニケーション戦略を考えていきたい」との方針が語られた。
3部ではビービットの藤井保文氏、電通デジタルの八木克全氏が登壇。藤井氏による中国の最先端の事例紹介を踏まえて八木氏は「メーカーであっても従業員と顧客が直接つながることのできる時代になっている。つまりは、あらゆる事業者がサービサーになっていくということ。この世界観の中で、メーカーのコマースマーケティングを考えていくべき」と自身の考えを話した。
最後の6部にはI-ne、サントリーコミュニケーションズ、フィリップスの3社のマーケターが登壇。メーカーのコマース戦略について、議論を交わした。
「ブランディングや、新たな消費者調査の場としての活用など、売上以外の効果が期待できるような施策が必要」(サントリーコミュニケーションズ・篠崎氏)、「現代の生活者はリアルとデジタルの2つの世界で生きているので、常に両面に露出するコミュニケーション施策を考えている」(I-ne・今井氏)、「プラットフォーマーとの付き合いに関してはリテイラーとしての、それぞれの特性を見極め、展開する商品を分けている」(フィリップス・藤井氏)といった意見が出てきた。
今回のカンファレンスは、電通 ソリューション開発センター内に新たに発足したコマースマーケティング部の知見やネットワークを基に企画されたもの。当日はiProspect、Dentsu Isobarなど電通グループのグローバルのネットワーク、さらに電通デジタル、電通テック、電通ダイレクトマーケティング、電通リテールマーケティング、電通tempoなど国内の多様なグループ会社のソリューションも紹介された。
電通・コマースマーケティング2部長の根本淳氏は「グループ会社のリソースも組み合わせながら、認知から購入、さらには購入後に至るまでのカスタマーエクスペリエンス全体のデザインをサポートする体制が整った」と話し、コマースマーケティング領域の事業に力を入れていく方針を示した。
第1回:https://dentsu-ho.com/articles/6807
第2回:https://dentsu-ho.com/articles/6815
第3回:https://dentsu-ho.com/articles/6816
第4回:https://dentsu-ho.com/articles/6817
第5回:https://dentsu-ho.com/articles/6839
第6回:https://dentsu-ho.com/articles/6818
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