サントリー食品インターナショナルは7月、「クラフトボス」シリーズから新発売になった「クラフトボス ミルクティー」のプロモーションとして、商品を題材にした「TikTok」ユーザーによる動画制作企画(クリエイティブコンテスト)を実施。このコンテストは「TikTok」が行う「クリエイター育成プログラム」の一環でもある。プロモーションの狙いと具体施策、結果について話を聞いた。
【クラフトボスミルクティー大賞】
キアヌ??さん
投稿動画:https://www.tiktok.com/@keanu0520_zombie/video/6713775802137234689
【ご参加者】
前田 真太郎 氏(サントリーコミュニケーションズ 宣伝部 デジタルグループ)
岡田 健太郎 氏(電通デジタル 広告事業 アカウントプラニング部門 プラニング第7事業部 第1グループ グループマネージャー)
高橋 亮太 氏(TikTok Ads Brand Advertising Solution Division Associate Director)
「TikTok」上のクリエイティブのダイバーシティに共鳴
―「TikTok」を活用した新商品のプロモーションを行ったそうですね。具体的にはどのブランドでどのような目的で実施したのでしょうか。
前田:「クラフトボス」シリーズは20~30代の働く人をターゲットとするブランドです。現代の多様な働き方、価値観にフィットする選択肢の提供を目指して、「ブラック」「ラテ」「ブラウン」に続き、紅茶飲料「クラフトボスTEA ノンシュガー」、そして7月に発売した「クラフトボス ミルクティー」へと商品ラインナップを広げてきました。
長年“働く人の相棒”として寄り添ってきた「BOSS」ですが、そんなときに傍らにあるのはコーヒーだけじゃなくてもいいはず、と考え、紅茶飲料「クラフトボスTEA ノンシュガー」「クラフトボス ミルクティー」の発売に至りました。また、働く人に限らず、バイトや勉強など、一生懸命取り組むのは10代も同じ。様々な人の「頑張る」シーンにも寄り添えるブランドになれたらいいなという思いもありました。
特にミルクティーは10代にもよく飲まれており、従来の「BOSS」よりもターゲットが広がるので、10代にアプローチできるメディアを探していました。そこで10代にアプローチできるメディアとして「TikTok」に目を向けました。
過去にサントリーではデカビタC等複数ブランドで「TikTok」の企画を実施させて頂いており、「TikTok」のデジタルネイティブ世代への影響力は実感しておりました。
岡田:「クラフトボス」は「WORK&PEACE」というテーマのもと、“多様性を受け容れる” ことを大事にしています。このメッセージが多様な表現が集まる「TikTok」というプラットフォームと共通しているという発見もありましたね。
前田:そうですね。私たちは、単純に「TikTok」がデジタルネイティブ世代に人気だから、といった理由だけで、今回の企画を実施したわけではありません。さまざまなユーザーが自分を表現し、多種多様なコンテンツを発信する場という「TikTok」の運営方針に共感したことが、今回のコラボレーション実現の背景にあります。
特に中国では「TikTok」のユーザーが投稿する動画は非常にクリエイティブで、撮影技術が高いものもあり、表現方法や動画のジャンルも多様です。そんな中、TikTokから日本でも「TikTokのクリエイター育成プログラム」を通して「TikTok」発のクリエイターを真剣に応援・育成するという話を聞き、その考えに賛同し、ぜひ最初のパートナーになれたらと考えたのです。
岡田:ユーザー数など媒体の表面的な部分だけではなく、媒体が持つカルチャーに共感をして今回の企画が生まれた、という点が今回の施策の特徴的な部分かと思います。
高橋:ユーザーそしてコンテンツの多様性を受け容れ、応援することは、私たちの「クリエイター育成プログラム」の本質。ユーザーとともに「TikTok」がつくっていこうとしている私たちのカルチャーに共感いただけたことは本当に嬉しかったです。
―具体的なコラボレーション施策の内容について、教えてください。
前田:実施した施策の「クリエイティブコンテスト」は、「クラフトボス ミルクティー」の世界観である爽やかで前向きなイメージを表現した動画を投稿していただくという企画。受賞した作品は、サントリーの「TikTok」広告として採用することも提示して、作品を募りました。とはいえ初めての試みばかりだったので、応募要項一つつくるのも難しくて。すでに浸透しているダンスコンテストなどの投稿企画とはまるで違う仕掛けが必要になりました。
岡田:初めてCMづくりにチャレンジしていただくので、「つくり方のヒント」は必要。でもヒントを与えすぎたら、多様なクリエイティブは生まれない。どういうヒントであれば、ユーザーのクリエイティビティを刺激するのか。TikTokにアドバイスをいただきながら施策を組み立てていきました。
高橋:フォロワーが数万人いるインターン生が社内に何人かいるので、コンテスト実施前に、まずは彼らにテスト的に動画をつくってもらいました。それを見て「この情報も提示したほうがいい」などと微調整していきましたね。結果、制作のヒントとしてハッシュタグをいくつか提示したり(♯軽やか ♯爽やか ♯気持ちいい ♯前向き ♯すっきり)、そのハッシュタグに紐づくイメージ写真を掲載したりと工夫しました。
岡田:でも「お手本動画は出さない」と決めていました。また、音楽も重要だと考えていたため、TikTokがブランドの世界観に合うものを選出してくださいました。
高橋:広告配信時に企業に無償で提供している膨大な数の楽曲の中から10曲を選んで、ユーザーには「この中の音楽を使ってください」というルールにしました。このように応募要項を詰めていき、同時に集客として、「TikTok」内で「クラフトボス ミルクティー」のテレビCMを流したり、投稿者がよく見るページにバナー広告やハッシュタグを掲載したりしました。
総再生回数4000万回、エンゲージメントも通常の約5〜8倍に
―応募が始まって、動画の投稿状況は狙い通りでしたか?
前田:ある程度こういう動画があがるかな?と想定していたのですが、想像をはるかにこえる多様な動画があがってきてとても驚きました(笑) また、構成や撮影方法に工夫のあるものがとても多くて、非常にクオリティが高いと思うものもいくつもありました。
「プロ」の世界におけるクリエイティブの「質」とは異なる軸で考えられた「ユーザー視点」のアイデア、「TikTok」の機能の活用法などに創造性、多様性があると感じるものが多かったですね。
最終的に期間中に集まった動画は全部で264本。「クラフトボス」のブランドマネージャーや広告担当者も参加して審査を行いました。
岡田:多彩な方向性の動画が集まったため、審査当日、当初は予定していなかった特別賞を設けることになりました。
―コンテストを実施しての反響は?
前田:現在までの総再生回数は約4000万回を記録。さらに驚いたのが動画のエンゲージメントの高さです。
高橋:「TikTok」が通常、行っている「ハッシュタグチャレンジ」のいいね数(1動画あたり)と比較してその数値は約8倍。コメント数も約5倍になりました。動画を制作したクリエイターに対する応援コメントや「すごい!」の声が多かったのが印象的ですね。
コンテスト終了後、他のSNSでも、今回のコンテストについて熱いコメントを投稿してくれるなど、多くの反響がありました。ユーザーから投稿を募るキャンペーンは多々ありますが、今回ほどユーザーのクリエイティビティに期待したものはなかなかないのではないでしょうか。「TikTok」は「誰もがクリエイターになれる」というメッセージを掲げているのですが、それを証明できたのではないかと思います。
前田:UGCプラットフォームが増えている中で、自分のアイデアや表現を世の中に出しやすくなっている。その新しい形が「TikTok」。「TikTok」のプラットフォーム上では、企業がつくり込んだものよりも、ユーザーがつくるものの方が受け入れられる、ということも実感しました。サントリーはこれまで、広告やクリエイティブを大事にしてきた会社ですから、これからの時代、新たなクリエイティブやカルチャーがこうした場によって生まれてくるのだとしたら、私たちも寄り添っていきたいです。
岡田:他のプラットフォームにはない「TikTok」のユニークさは、音楽とダンス以外にも、絵画や陶器、ショートコントなど、多種多様なジャンルの動画があることだと感じています。さらに企業が作ったプロのコンテンツがあまり流れていない。つまり、「TikTok」のクリエイターこそがプラットフォームの成長を支える大切なファクターの一つだと思います。だからこそ、ぜひ今後も育成に力を入れて欲しいと期待しています。
その他の受賞作品
【TikTok賞】
Shun/リフティング教室さん
投稿動画:https://www.tiktok.com/@shunfreestyle/video/6713282649735122178
【特別賞】
けい(kei)さん
投稿動画:http://vt.tiktok.com/JamtDM/
miyaaaaaachi?さん
投稿動画:http://vt.tiktok.com/JamR1c/
たむらまろ|Nuggetgetworksさん
投稿動画:http://vt.tiktok.com/JahGSQ/
おきゃんさん
投稿動画:http://vt.tiktok.com/JaQAxL/
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