集英社が発行する女性向けファッション誌『SPUR(シュプール)』は、10月7日から13日にかけ、生理用ナプキンをピールオフ広告として無料配布した。会場は「MAGNET by SHIBUYA109」(東京・渋谷)。1週間で7400個を用意した。
『SPUR』の創刊30周年を記念したキャンペーンの一環で、企画(クリエイティブディレクション、ビジネスプロデュース、PR)はThe Breakthrough Company GOが手がけた。制作会社は東北新社。キャンペーンのビジュアルには、ガールズバンドのCHAIを起用した。
同誌の五十嵐真奈編集長によれば、渋谷を掲出先として選んだのは「あらゆるジェンダーの方々が、自分や他者の身体について考えるきっかけづくりになれば」との考えから。生理用ナプキンのピールオフ広告の掲出自体をNGとする媒体も多く、実現にあたってはハードルも多かったという。
特に配慮が必要と考えたのが、生理にまつわる内容を目にすることを避けたいと考える人の気持ちだ。そこで、広告の前に立て看板を置くことで「(広告を)見ない」という選択肢も用意した。
「今回の企画は、いたずらに驚かせたり、困惑させることが目的ではありません。そもそも生理がない体質の方、閉経した方、生理について考えたくないという方もいらっしゃるでしょう。広告の前に『生理用品のピールオフ企画です』という立て看板を置くことにしました」。
同誌の読者アンケートでは、「生理休暇」の取得の経験者は22%だった。「現代社会の生きづらさを表す事例のひとつ」だと指摘したうえで、「この生理用ナプキンが、皆さんにとって“持っていると安心できる、心の支えとなるお守り”のような役割を、少しでも担ってくれれば」と話している。
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