デジタルネイティブ世代の文脈で、メッセージを伝えたい
太田:LISTERINE®は今や50カ国以上で愛用されているマウスウォッシュブランドです。しかし、日本におけるマウスウォッシュの使用率は28%で、まだまだ未使用者が多いことが積年の課題でした。今回のキャンペーンを訴求した商品「LISTERINE®」ホワイトニングは、コーティング効果も備えたマウスウォッシュで、歯本来の美しい白さへと導きます。ですが、歯の着色ケア(ホワイトニング)はそもそもニーズが潜在的であるうえ、生活者が真っ先に思い浮かぶソリューションは歯ブラシや歯磨き粉。
こうした状況の中で潜在的なニーズをうまく掘り起こし、マウスウォッシュと歯ブラシの組み合わせでケアできるということを知ってもらうことが今回の狙いでした。主なターゲットは20~30代の美容感度の高い女性です。自撮りやフォトジェニックといったキーワードに関心のあるデジタルネイティブ世代の「自分を美しく見せたい、演出したい」という気持ちに、この商品はフィットするのではないかと考えました。
安藤:一方で、マウスウォッシュやホワイトニングそのものに関心がない人に対し、商品の機能価値を伝えるだけでは響きません。この商品が発信するメッセージは、「白い歯になると、自信を持って笑顔になれる」ということ。このメッセージを相手が関心を持つ文脈に落とし込み、気づきをもたらすためにはどうすればよいのか。検討を重ねる中で、歯が白くなる状態をポジティブに体験してもらう場としてTikTokに可能性を感じ、コラボレーションに至りました。
キャンペーンのオリジナル楽曲も制作 TikTokならではの工夫を提案
太田:もともと「カメラで顔を写すと歯が白くなる、フィルターのようなものをつくってみてはどうか」というアイデアは社内にもありました。ですが、フィルターそのものは巷に溢れている。私たちが届けたい「白く輝く歯は、美しい笑顔を完成させるためのひとつのパーツである」というメッセージを埋もれずに伝えるためには、ビフォーアフターを楽しめたり、ただ「白くする」だけでなく音楽を組み合わせて動画として楽しんでもらえたりすることが重要だと気づきました。
そこでスタンプの開発と同時に、オリジナルの楽曲「白い歯になりたい」を制作いただきました。「口に含んで すすいで磨いたら 」などと、商品のベネフィットを理解してもらえるような歌詞になっています。
高橋:TikTokをプロモーションとして活用してもらうためには音ノリも重要なので、歌詞の合間に「キラーン」と効果音を挟むなどして、ユーザーが楽しんでもらえる工夫をしています。いただいたお題をそのまま形にするのではなく、TikTokユーザーがスタンプを使いたくなる気持ちをいかにつくるか、安藤さん、太田さんと綿密にすり合わせをさせていただきました。
安藤:TikTokがデジタルネイティブ世代に圧倒的に支持されているメディアであることは知っており、音楽や踊り、画像加工を交えながらユニークに自分を表現できるプラットフォームとして注目していました。
ですが、正直なところマーケティング施策をご一緒するのには不安もありました。メディアの特性、ユーザーについて、私自身が理解しきれていない部分もあったので、本当にクリエイティブを面白がってもらえるのか心配していました。ただ、TikTokでは20~30代ユーザーをリーチしていくという明確な共通目標があったので、強力なサポート体制を敷いていただきました。
高橋:今回起用したインフルエンサーさんも、ターゲットの年齢を意識してキャスティングしています。起用した「妻が綺麗すぎる」さんは、ターゲット層から絶大な人気を集めており、今回初めての広告タイアップとして出演していただくことになりました。
安藤:2点目の「このプラットフォームならではのノリやユーザーの楽しみ方」については今回、よい意味でたくさん甘えさせてもらい、TikTok Adsから様々なアイデアを出していただくことが多かったです。“メーカー主語”の要素をできるだけ抑えたことが、良い結果につながったのではないかと思います。
投稿動画:https://www.tiktok.com/@ainyon_052/video/6714523078849793281
17万人、140万回のホワイトニング体験につながった
高橋:TikTokはこれまでアイメイクやリップなどのコスメティクススタンプをリリースしてきましたが、歯にフォーカスしたスタンプはありませんでした。美や「美しく映る」ことに関心の高いTikTokユーザー自身も、「白く輝く歯は、美しい笑顔を完成させるためのひとつのパーツである」ということに気づいていない人が多かったのかもしれません。美の価値観も多様化しているこの令和時代、「歯から美しくなる」という選択肢があってもよい。
今回のLISTERINE®さんのお取り組みには、そういったストーリーがありました。そしてTikTokユーザーには、そのストーリーが刺さりそうだと直感しました。
安藤:おっしゃる通りで、オーラルケアはスキンケアやヘアケアに比べて意識しにくいもの。新たな価値観として「白い歯が美につながる」というメッセージを“楽しさ”を持って届けていただけたと思います。
太田:白さの度合いやビフォーアフターの見せ方などクリエイティブ面においても悩みどころは多く、ローンチ前は内心ドキドキしていましたが、実際に完成したスタンプを試してみると歯の変化が一発で実感できますし、キラーンと効果音がつくのが楽しくて。
安藤:我々が楽しみながらスタンプをつくれたのも、今回の成果につながったのかもしれません。スタンプを活用してくれたユーザーは17万人、スタンプの活用総回数は140万回を達成(いずれも非投稿者含む)。動画を投稿してくれたのは3000人、その総再生回数は3200万回を記録しました。単純なリーチ数だけでなく、今回の場合は投稿せずに体験してくれた人の数も重要なポイントだと思います。「自分の歯が白くなることを体験してくれた」人がこれだけいた、ということですから。
太田:このキャンペーン前後で「LISTERINE®」ホワイトニングの売り上げは30%伸びました。また今回のキャンペーンは、実はLISTERINE®ブランドとして初めてテレビを活用しない施策でもありました。それにもかかわらずこれだけシェアを伸ばすことができたことは嬉しく思っています。
安藤:TikTok Adsからは以前、TikTokは「FUN」が重要だとお聞きしましたが、膨大な情報量が溢れる現代で、興味を持ってもらうためには「楽しい」「面白い」という根源的な欲求を満たすことが重要なのだと改めて気づかされました。広告であってもユーザーが楽しみながら体験してくれる、そんなソーシャルメディアは他にはなかなか無いと思います。
太田:真面目に語るとつまらなくなってしまうメッセージを、TikTokならではの形で、みんなが興味を持ってくれる文脈に昇華していただきました。「FUN」がなければ、体験したいとも、人に話したいとも思わない。それが今回の数値的な成果にもつながったのではないかと思います。今後も「FUN」な施策を、ぜひ一緒に挑戦できたらと思っています。
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