阿部広太郎氏×田中泰延氏「宣伝会議賞」トークイベント前編 書きたいだけ書けるのが「宣伝会議賞」

第57回「宣伝会議賞」の募集が始まって数日が経過した9月6日、トークイベントが開催された。当日は自身も「宣伝会議賞」応募・受賞経験を持ち、現在は「宣伝会議賞」中高生部門審査員を務める阿部広太郎氏と、「青年失業家」を名乗る元・電通コピーライターの田中泰延氏がトークを繰り広げた。今回はイベント前半、2名のフリートークの様子を紹介(本文中・敬称略)。

左から、阿部 広太郎(あべ こうたろう)氏、田中 泰延(たなか ひろのぶ)氏

コピーライター阿部広太郎氏と「宣伝会議賞」の関わり

田中:阿部さんが「宣伝会議賞」を知ったきっかけは?

阿部:「宣伝会議賞」の存在を知ったのは大学生の頃でした。書店で『宣伝会議』の雑誌や街中のポスターを見て知りましたね。

田中:「宣伝会議賞」と「コピーライター養成講座」って、とてもかわいい人のビジュアルと、すっとしたコピーのポスターでしょ。今日、会場に来ている人たちはコピーライターとかアートディレクターを目指している人が多いと思いますが、広告の仕事をしていると「来月、あのポスターの子に会いたくない?」っていう願望が案外、実現したりしますよ(笑)。

阿部:「宣伝会議賞」に本格的に応募を始めた理由は、仕事の中でなかなか企画が通らなかったり、コピーがうまく書けなかったりで。少しでも成長したかったし、少しでも自分という存在を知ってもらう機会をつくりたいと思っていたんです。時間だけがすぎる焦りとか、表現への渇きとか、いろんな気持ちが混ざっていましたね。「宣伝会議賞」の取り組み方としては、とにかく書いて、行き詰まったら『SKAT』(*編集部注)を読んでいました。

田中:みなさん、S・K・A・Tですよ!あの分厚い辞書みたいな。

阿部:『SKAT』ってSenden Kaigi Award Textの略なんですね。ほぼ全部を買って、今でも会社の引き出しに入れてあります。「宣伝会議賞」のコピーを書き続けていると、深呼吸したくなることがあるんですけど、そんな時は『SKAT』を眺めながら一息ついていました。

阿部さんのデスクの引き出しに入れられた『SKAT』。

田中:阿部さんは、いつから応募していたの?

阿部:2008年からチャレンジしていました。電通に入社して新卒で配属された人事部の時に試しに25本応募して。

田中:25本の応募で一次審査を通過したら一流コピーライターよ!(笑)

阿部:いや、本当ですよね(笑)。2009年、人事からクリエーティブに転局した後

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