アカツキCEO・塩田元規が涙した、会社が進化するきっかけとなった言葉とは?

※本記事は株式会社マスメディアンの『advanced by massmedian』に掲載された記事を表示しています。

ファッションデザイナー、起業家、インフルエンサーなどマルチに活躍するハヤカワ五味さんがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「マスメディアン 妄想の泉」。この番組では、さまざまなフィールドで活躍する起業家やクリエイター、アーティストをゲストに迎え、未来を面白くするヒントを“妄想しながら”探っていきます。11月9日(土)の放送は、株式会社アカツキ代表取締役CEOの塩田元規さんが登場しました。

左から、塩田元規さん、ハヤカワ五味さん

ハートドリブンとは?

2010年創業の株式会社アカツキは、モバイルゲーム事業や、横浜駅直通の複合型体験エンターテインメントビル「アソビル」などをはじめとするライブエクスペリエンス事業などを展開しています。さらには、著書「ハートドリブン 目に見えないものを大切にする力」(幻冬舎 NewsPicks Book)を発売するなど、幅広い分野で活躍しています。

塩田さんが掲げる“ハートドリブンな世界へ”というビジョンについて、「僕たちは、“会社を超えて世界をどうするか”というビジョンを定めています。“世界がどうあるべきか”というなかで、その次に“自分たちはどうか”という順番で決めていく」と話します。

「ドリブンはインセンティブという言葉の対義語。インセンティブは、“外側からがんばればこういう報酬が与えられるよ”というものだけど、そうではなくて、自分の内側にあるハートを原動力に一人ひとりが活動していくと、誰かからなにかを貰わなくても、やっている時点で幸せになる。言われてやる仕事よりも、やりたい仕事のほうが圧倒的に幸せは湧き出る」と語ります。

さらには「組織って、社長が考えていることを実現させる組織になりがちだけど、そうではなくて、会社とはいろいろな人たちが“自分の幸せ”と向き合ってなにかを生み出していく場である、という考え方で経営しているので、うちのメンバーは大変だと思いますよ」と笑います。

号泣した出来事と言葉

塩田さんは、大学時代に“幸せと経営”というテーマで数多くの社長にインタビューをしたそう。その際、ある社長からの「世の中に価値を提供して、お客さまを笑顔にして幸せにすることが利益の源泉。会社は1人ではできない。みんなで集まってやるのが会社なんだよ」「勝ち組、負け組ではなく、バリューの“価値組”になりなさい」という言葉に感銘を受けたと言います。

そして、“いつか会社を経営しよう!”と心に決め、経営の本を読み漁り、さらに「27歳で起業して、37歳で一部上場する」と人生の年表を書いたそうで「3年前倒せた」と胸を張ります。

とはいえ、会社経営は決して順風満帆ではなく「何度も倒産しそうになった」と告白。3人で会社を立ち上げた当初はほとんど休みなく、仕事に明け暮れる毎日だったそう。

「1年目はとにかく生き残ることに必死だった。2年目になると少し人が増え、チームでどうするかというテーマになった。3年目で会社が伸びそうになったとき、自分は“人が大事”という理念を言っているにもかかわらず、売上が上げられそうでうちに合わなそうな人を採用するという一番やってはいけないことをやってしまった」。

その結果、組織がおかしくなり「創業時にいたメンバーの半分が辞めてしまった。その夜は号泣して吐いた。その痛みのなかで、自分はがんばるしか知らない人間だったけど、人生で初めて人に弱みを見せたのが3年目だった。これがハートドリブンの原体験」と振り返ります。

あるとき、社外取締役の勝屋久さんの奥さんから「あなたは『世界を幸せに』『社員を幸せに』といつも言っているけど、そのなかにあなたは入っているの?」と言葉を投げかけられたそう。

塩田さんは「自己犠牲しすぎていて、そこにぼくは入っていなかった。経営者やリーダーってそうなりがちだけど、『自分もそのなかに入れていいんだよ』と言ってくれて、号泣してしまった。それで僕もメンバーに『今、苦しい』と打ち明けるようになった」と語ります。

そうしたら“みんなでがんばろう!”とチームの雰囲気がガラッと変わった。それから大ヒットゲームが生まれ始めた。「会社として進化してきたのは、そこからですね」と分岐点を挙げていました。


<番組概要>
番組名:マスメディアン 妄想の泉
放送日時:毎週土曜 24:30~25:00
パーソナリティ:ハヤカワ五味
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/mousou/
番組Twitter: @mousou_tfm


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