今回の参加企業はサントリーホールディングス、資生堂、ストライプインターナショナル、ファミリーマート、ブリヂストン、YKKの6社(五十音順)。それぞれ広報関連部門で社内広報などを担当している。
テーマは「多様化するワークスタイルのためのインターナルコミュニケーション」で、本社勤務のスタッフだけでなく小売の店頭、地方の工場、海外の支社やグループ会社など拠点や立場が異なる従業員との情報共有の方法について意見を交わした。
なお、研究会を主催するブライトコーブは米ボストンを本拠地とする企業。動画配信プラットフォームと関連ソリューションを提供する立場から、動画制作やシステム管理の基礎、社内の情報システム部門との連携について解説した。
テレビ番組の手法を取り入れる
ブライトコーブの大野耕平氏(デジタルマーケティング アカウントマネジャー)によると、企業から寄せられる社内向け動画制作の課題は「視聴してもらえない」「どんな内容にすべきか分からない」「情報システム部門との調整」という3点が多い。特に今回のテーマのように、立場の異なる従業員間の情報共有は難しさがある。
そこで今回は、ニュージーランドを本国とするクラウドソーシングの動画制作会社、90 Seconds Japanの東秀一氏が登壇。動画制作を料理に例えながら、
(1)材料(動画素材)
(2)調理法(企画と演出)
(3)おもてなし(より多くの人に視聴してもらうための工夫)
というポイントごとの要点を学べる、講義と演習を実施した。
(2)の企画と演出については、視聴スタイルや内容によって動画の尺の決め方も変わると指摘。東氏は近ごろ海外でも増えている「6秒動画」の企業事例を20本紹介し、短い尺ならではの情報の絞り込み方を体感する場とした。さらに演習として、テレビ番組などでも定番の演出方法をいかに自社の動画制作に取り入れるかを実践。アレンジ方法の一手段として「ランキング形式」で動画を制作すると仮定し、参加者らが「社内の最近のニュースベスト3」を出し合い発表した。
KPIは再生数より「態度変容」
続いて、ストライプインターナショナルの清水野恵美氏(パブリックリレーションズ本部 広報部)から、2012年にスタートした週刊の動画社内報「ストライプTV」の事例が共有された。石川康晴社長や店頭で働く従業員も多く出演する動画は既に350本以上が制作されている。いずれもバラエティ番組仕立てで、従業員向けの自社開発アプリなどで視聴できる仕組みだ。
「動画に出演することが目標というスタッフもいる。今後の課題は、動画による従業員の態度変容をどのように計測していくか」と清水野氏。参加者からは、スケジュールや社内でのクオリティコントロールの考え方、制作会社との連携に関する質問が寄せられた。
終盤にはブライトコーブの大野氏が、情報システム部門とのチームワーク強化のためのネットワーク、セキュリティ、システム管理に関する基礎知識についてレクチャーした。特に社内向け動画の配信にあたって、機密情報の漏えいを気にする企業も多い。
「IP制限やドメイン制限、パスワード制限など方法はいくつかあるが、細かく設定しすぎるとアクセスが困難になり閲覧数が少なくなってしまう。情報システム部門と妥協点を見出しながら適度なセキュリティ設定をして推進してほしい」とアドバイスした。
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