セブン銀行ATMを用いた新サービスの特徴
セブン銀行は2018年5月、100%子会社であるセブン・ペイメントサービスが提供する新しい送金サービス「ATM受取」を開始した。銀行口座を用いずに、セブン銀行ATMとセブン-イレブンのレジで「現金」を受け取ることができる、企業から個人への送金を簡単にするサービスだ。
企業はセブン・ペイメントサービスの提供するシステムに送金額と受取人のEメールアドレス、もしくは携帯電話番号を登録する。登録情報に基づいてEメール、もしくはショートメッセージ(SMS)で、ATMでの受け取り操作に必要な番号が受取人に送られる。受取人は、ATMにその番号を入力するだけで現金が受け取れる仕組みだ。
一回あたりの送金可能額は、10万円まで。紙幣はATMで、1000円未満の硬貨は、ATMから出てくるレシートをセブン-イレブンのレジに提示することで受け取れる。また、1000円未満については電子マネーnanacoへのチャージや募金という手段を選ぶこともできる。
キャッシュバックキャンペーンを実施したい企業が「ATM受取」を選ぶメリットについて、セブン・ペイメントサービスの和田哲士社長はこう語る。
「キャッシュバックキャンペーンを実施される企業さまにとって、マーケティングに必要な情報はともかく、銀行口座情報や詳しい住所情報は不要な場合が多いのではないでしょうか。しかも個人情報は厳重な管理を要し、企業として、流出を防がねばなりません。また、受け取る方にとっても、当選するかどうかわからないのに、口座番号や住所などの詳細な個人情報を提供するのは気が進まないでしょう。他の送金手段に比べて、『ATM受取』は取り扱う情報量が格段に少なく済むことが第一のメリットと言えます」
セブン・ペイメントサービス営業部の櫨山ゆう子氏も「セブン銀行のATMは、2019年9月末時点で、全国に2万5342台設置しており、セブン-イレブンだけでなく、交通機関や商業施設にも置かれています。原則24時間365日利用できますので、お客さまの受け取りやすさという点でもメリットがあると思います」と語る。
また、和田社長は「メールアドレスや携帯電話番号は、利用目的についての同意をとった上で、他の商品案内や定期的に交換が必要な付属品の案内など、お客さまとつながる手段としても活用が期待できます」とも語る。
交通系電子マネーなどキャンペーンに続々採用
「ATM受取」を利用したキャッシュバックキャンペーンが広がりを見せている。
12月9日には清涼飲料水「ヘパリーゼW」シリーズ(ゼリア新薬工業)のキャンペーンが始まる。セブン-イレブンで対象商品を2本以上同時購入すると参加可能だ。
本キャンペーンでは、抽選で1万人に1000円のキャッシュバックを行う。応募は、購入時のレシートに記載されたシリアルナンバーを、特設Webサイトで入力するだけ。当選すると、応募時に登録した携帯電話に、SMSやEメールで受け取り操作に必要な番号が届く。その番号を、セブン銀行ATMに入力して、キャッシュバックを受け取る仕組みだ。
年末年始を控え、忘年会や新年会の続く時期に、まとめ買いや追加購入を促す狙いがある。
また、2019年9月には、交通系電子マネー各社と共同で「ATMチャージキャンペーン」が実施されていた。
セブン銀行ATMでは、昨年10月から、交通系電子マネーへのチャージが手数料無料でできるようになっている。交通系電子マネーは、電車やバスの乗車時だけでなく、買い物への利用も広がっており、キャッシュバックキャンペーンをきっかけに、購買機会のすぐ近くにあるセブン銀行ATMでのチャージを体験してもらい、認知拡大に繋げたい考えだ。
このほかにも、携帯電話や電気シェーバーなどの電化製品のキャッシュバックにも採用されており、「ATM受取」を使ったキャッシュバックキャンペーンは、今後も広がっていく見込み。
櫨山氏は、「セブン銀行ATMは、セブン-イレブンなどの消費に近い場所に設置しています。『ATM受取』を使ったキャッシュバックキャンペーンはさらに広がっていくと思います」と語る。さらに、和田社長は、「キャッシュバックキャンペーンだけでなく、商品リコール時の返金やお詫び金といった使い方も想定しています。さまざまな企業にこのサービスを知ってもらえればと思います」と期待を込めた。
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