「チャットコマース×リアル店舗」ジールスが実現する、OMO時代の新たな顧客体験

OMO時代の顧客体験

遠藤:これまでのマーケティングでは、オンラインとオフラインは分かれた存在として語られてきました。しかしOMOは、「Online Merges Offline」、つまりオンラインとオフラインとの間に境界線がなくなることを意味しています。

OMOは2017年に、Googleチャイナの元CEOリ・カイフ氏が提唱し始めた言葉で、それをアリババのジャック・マー氏が実際のビジネスとして中国で推し進めています。日本国内では、藤井 保文氏、尾原 和啓氏の著書「アフターデジタル」で認知されるようになってきました。中国ではすでにOMOでの決済が、オフライン決済も含めた全決済の4.2%を超えており、現在進行形で凄まじい勢いで広がっていることがわかります。中国ではメッセージアプリ「WeChat」の普及によってOMO化が加速しており、様々な企業がOMO化に取り組んでいます。

例えば中国で爆発的な成長を見せているコーヒーショップ「ラッキンコーヒー」の事例です。

なんとラッキンコーヒーの店舗にはレジがありません。注文から決済まで、すべてWeChat上で行われるためです。WeChat上の「ラッキンコーヒー」公式アカウントを開いたら、メニューからコーヒーを選択。そして注文を受け取りたい店舗を指定し、支払い決済までをWeChat上で済ませます。決済完了後にはQRコードが発行され、指定した受け取り店舗に行けば、あとは注文しておいたコーヒーを受け取るだけとなっています。

さらに中国では、スターバックスもラッキンコーヒーと同じ導線でチャットコマースを使える点はもちろん、コーヒーを受け取った後にも、同じチャット上でお客様の満足度アンケートを取ることができます。これにより、接客に関する詳細を店舗にフィードバックし、実店舗での接客体験を高める施策が行われています。

中国の事例に倣い、実店舗での接客とチャットコマースでの接客を相互補完させられる新しい顧客体験を日本でも提供したいと考えました。そこで今回の施策の導入を快諾してくれたのが脱毛サロン「キレイモ」を運営している株式会社ヴェイリスさんです。

チャットコマース×OMOを実現した全身脱毛サロン「キレイモ」の事例

遠藤:ここからは、全身脱毛サロン「キレイモ」を運営する株式会社ヴェイリスの角田さんと一緒に、LINEを活用したチャットコマースOMO施策の導入事例についてお話ししたいと思います。

始めに僕から今回の施策について、大まかな流れをご説明させていただきます。

今回の施策ではまずチャットでヒアリングを行い、ユーザーの持つ悩み、予算、名前などのパーソナルな情報を取得します。次に、ユーザーとの日程調整を行い、来店予約までをチャット上で完結させます。その後、最初のヒアリングで取得した顧客のデータをキレイモの店舗CRMに連携させることで、実店舗のスタッフが行う接客の質や効率の向上を図ります。最後に、接客後のデータを店舗スタッフからCRMを通してチャットコマースにフィードバックを送っていただき、今後のコミュニケーションに活かすことができます。

ヒアリングファーストな顧客体験を実現

もう少し詳細に各セクションの施策について、ご紹介させていただきます。まずはユーザーが最初に触れる、予約までのコミュニケーションについてご説明いたします。当社では「ヒアリングファーストな会話体験」を大切にしておりますので、キレイモのLINE公式アカウントに入っていただいたらまず、お客さまの課題やニーズをヒアリングする画面が現れます。次に属性や予算などを聞いてお客様に最適なプランを提案します。その後、予約フォームに必要な生年月日や名前などの情報をチャット内で入力していただき、チャット上で体験予約までの入力が完結するように設計しています。

この施策によりキレイモ実店舗での接客体験に変化が生まれているのですが、その内容については角田さんからご説明いただいてもよろしいでしょうか?

株式会社ヴィエリス 広告部 マネージャー 角田里穂氏

角田:キレイモでは、ご来店して頂いたお客様にカウンセリングのお時間として1時間頂戴しています。内訳は、ヒアリングに30分、サービス説明に15分、ご契約いただく場合には手続きに15分使っています。お客さまによって変動しますが、従来の接客では概ね半分以上の時間をヒアリングに使っていました。それが今回のOMO施策の結果、チャットコマースで不安な想いを持たれているお客さまに、来店前の段階で寄り添うことができるので、来店された後ヒアリングに割く時間が従来の約半分になりました。また、来店までのハードルが低くなったり、事前にお悩みや不安を把握した上で接客できたりと、お客さまが受ける接客体験の質が向上しています。

遠藤:ご説明ありがとうございます。

今回の施策では、ユーザーに対して事前問診のチャット配信や、不安な内容を事前にヒアリングして懸念点を解消するコミュニケーションをチャット上で実現しました。これまで取れていなかった、ユーザーのインサイトに迫る情報をキレイモの店舗CRMシステムと連携することで、各店舗の接客スタッフさんへ提供し、より良い接客体験を実現しています。

また、来店までのコミュニケーションだけではなく来店後のフォローにも力を入れて取り組んでいます。店舗来店後の満足度アンケートから、その場で成約に至らなかったユーザーに対して再エンゲージメントしていくプッシュ配信を行うことで、成約しなかったユーザーには契約の獲得、成約したユーザーにはエンゲージメントを高めるための配信を続けることで解約阻止の施策を走らせています。

以上の施策で得られた成果について、角田さんからお話をお願いできますか?

角田:はい、まとめると今回の施策では、来店前から契約後にいたるまで、さまざまな場面でお客様の気持ちに寄り添ったコミュニケーションを取ることができています。

そうしたチャットコマースでユーザーの獲得から接客、その後のフォローまでをひとつの流れとして組み込んだOMO施策を実現していくことで、

来店率が40%改善
契約率が15%改善

といった結果を出すことに成功しています。チャットだからできる一人ひとりにあわせたコミュニケーションと実店舗の接客とを掛け合わせたからこそ、これだけ高い来店率を出すことができたと考えています。契約率の向上に関しても、チャットとOMOの両方を実現しているジールスさんだからこその成果だと思っています。

今回のチャットコマースとOMOの取り組みが、成果につながって嬉しく思っています。キレイモはこれまで女性メインで行ってきましたが、今後は男性の脱毛も打ち出すことで「キレイは強い」ということを伝えていきます。今後も、オンラインとオフラインの垣根を超えたお客さまの体験を届けることでさらなる接客の向上を図っていきますので、今後ともよろしくお願いいたします。

遠藤:こちらこそ、これからも宜しくお願い致します。

それでは最後に、株式会社Zealsが掲げている、今後の展望についても述べさせてください。

Zealsは、「EC(Electric Commerce)からCC (Chat Commerce)へ」このシフトを起こす取り組みを行っていきます。

さらに、今後はチャットボットで溜めたクライアントとエンドユーザーの会話データを分析することで、ボイスやロボティクスを使った事業にも挑戦していきます。人が持つ対話の力を機械に授けるコミュニケーションAIを開発することで、次なる産業革命を起こして日本をぶち上げる。これが株式会社Zealsのビジョンです。

本日はお越しいただきまして、まことにありがとうございました。


お問い合わせ
株式会社Zeals
TEL:03-5719-2133
E-mail:info@zeals.co.jp
URL:http://zeals.co.jp/

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