ファン獲得に必要な理想の“カスタマージャーニー”
セミナー第1部には、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(以下、USJ)のマーケティング部デジタルマーケティング・アシスタントマネージャーの中通康太氏が登壇。
中通氏は「テーマパークの運営に重要な『ファン』獲得のため、USJではお客さまに再来場してもらって初めて『コンバージョンを達成した』と見なすCRMを設定している」と説明。つまり、1回目の退園から再び来園してもらうまでの過程も含めたカスタマージャーニーを描く。
それでは、初めてきた人にリピーターになってもらうにはどうしたらよいのか。中通氏は、この問いに対し、公式アプリ内の来園者一人ひとりの好みに合わせたアトラクションやグッズを紹介する「マイコンシェルジュ」という機能について紹介した。「来園者の属性(初回か、リピーターかなど)に加え、来園している時間帯など、さまざまなデータを統合し、一人ひとりにあったレコメンドを実現している」と話す。
精度の高いレコメンドを実現するためには詳細なデータの取得が欠かせない。中通氏は「USJでは、来園者の園内行動を地磁気でトラッキングし、GPSでの捕捉が難しい屋内の行動も把握できるようにしている」と解説。その上で、キューライン(=アトラクションまでの待ち列)の長さなど、快適な顧客体験を阻害しかねない要因を瞬時に把握し、理想的なカスタマージャーニーの実現を目指していると話した。
第2部にはプレイド Customer ExperienceDesignerの福島正隆氏が登壇。同氏は、USJの取り組みにも共通する「ファンを増やすコミュニケーション設計」の重要性を説く。
「ファン」獲得のために必要な要素として同氏は3つのポイントを挙げる。①信頼の獲得②付加価値の提供③共感の醸成、だ。
例えばナイキドットコムは、靴購入の際に顧客が抱くであろう「サイズが合わなかったらどうしよう」という不安に着目し、無料の返品交換システムを導入。「親切なメーカー」というポジティブな印象を与えることに成功した。
また、エバーレーンは、コストやメーカーマージンというこれまで企業がオープンにしてこなかった情報を開示。「究極の透明性(=信頼)」を打ち出したことで、ビジネスを大きく伸ばしているという。「(前述の)3つのキーワードをもとに考えれば、あらゆるモノ・コトが価値やコンテンツになりうる」(福島氏)。
また顧客体験の向上には顧客基盤の強化も必要だと指摘する福島氏。
プレイドが提供するCXプラットフォーム「KARTE(カルテ)」は、自社サイトの行動履歴と自社DBやCDPのデータ、アプリの閲覧記録、店舗データとも瞬時に紐づけが可能になるという。
「KARTEのサービスを通じ、『ファン獲得のためのカスタマージャーニー』の設計につなげてほしい」と話し、セミナーを締めくくった。
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