視聴質データの活用で効率的なメディアプランニングが可能に
最初の登壇者は、日本アドバタイザーズ協会(JAA)の元電波委員長で、現在はデルフィス専務取締役の土橋代幸氏。同氏が電波委員長時代、会員企業を対象に実施したアンケートでは36%から「社内でテレビCMをやめるべきだという意見が挙がっている」との回答があったことを明かし、「背景には、テレビCMの効果検証の難しさがあった」と説明。
さらに、「自社でデータ基盤を構築し統合的にマーケティングを実践していく昨今の環境においては、テレビに関するデータの充実や、デジタルとの共通指標の模索、また、それらのデータをもとにスピーディーに運用していく体制の整備が重要になってきている」との考えを示した。
第2部ではTVISION INSIGHTSの郡谷康士氏が登壇。同社が提供する「視聴質データ」について説明。
視聴質データとは、テレビに設置された同社独自の人体認識技術搭載センサーで毎秒取得しているデータから、テレビの前の人の有無を表したVI値(Viewability Index)と、視聴者の顔の向きや視線から視聴態勢を数値化したAI値(Attention Index)を出し、2つを掛け合わせたものだ。
「視聴質データの活用で、ターゲットがテレビを視聴する番組・時間帯を把握でき、よりターゲット含有率の高い枠に効率的に出稿することが可能になっている。また、ひとつのCM内でも特にどのシーンが視聴者の目を引いたかも確認できるようになったことで、広告クリエイティブの検証、改善にも生かせるようになっている」と話した。
最終部では、メルペイ マーケティンググループリーダーの大前宏輔氏とAGC広報・IR部長の玉城和美氏同席のもと、テレビCM活用の実態について議論された。
2019年、話題性ある施策で急速な認知獲得に成功したメルペイ。
ゴールデンウイークからの約半年間で実施した5回の大型キャンペーンでは、テレビCMを中心に据えたメディア展開を行った。その経験からも大前氏は「アプリ含むデジタルだけでは補完しきれないターゲットへの短期間・大量リーチは、テレビCMの魅力のひとつ。TVISION INSIGHTSさんのデータも活用することで、効率的にメディアバイイングし、施策ごとにPDCAを回し効果をあげることができた。今後は、デジタル上で話題を生んだり、世の中ごと化するための装置としてのテレビの価値を定義していきたい」と話した。
一方、社名変更に伴うブランディングプロジェクトを推進する玉城氏は、「テレビ、Web、リアルイベントの相乗効果で、AGCの認知も上がっていると感じる。今後もB2B企業の効果的なブランディングを模索していきたい」と語った。
最後に郡谷氏は「視聴質データでテレビの媒体の価値は、これまで以上に高まる。データの提供で、テレビマーケティングをさらに1歩進化させることができれば」と語った。
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