いつでも走り出せる瞬発力
テレビCMやWeb・SNS動画などの広告、映画の企画・制作を行うサンディ。劇場公開された商業映画監督の実績をもつディレクターや元エディターのプロダクションマネージャーなど、多様な才能が集まっている。前職では、テレビCMの制作会社でプロデューサーをしていた代表取締役の柏田洋平さんだが、大学時代からカメラマンとして自主映画の制作に参加してきた。
「仕事をする中で、“業務領域を縛られることなくもっと自由に映像をつくりたい”という思いが強くなってきました。そこで2015年に映画制作の仲間たちに声をかけてサンディをつくりました」と振り返る。
4人でスタートしたサンディだが、現在メンバーは8人にまで増えている。同社の強みは、企画、演出、撮影、編集まで、映像に関わる全てのことを自分たちでまかなえること。急ぎの依頼が来ても、人や機材を集める必要がなく、すぐにクリエーションに向き合うことができる。そんな高い瞬発力が大きな武器だ。
「自分たちはクライアントからのタイトなスケジュールの依頼に対しても常に一歩先に進んだ状態からスタートできて、そのぶん企画や撮影、編集にこだわって質の高いアウトプットを打ち返すことができます」。
その武器をフルに発揮した仕事の1つに、6月24日から横浜赤レンガ倉庫で開催されたキリンの体験型エキシビション「#カンパイ展2019」のPR動画がある。会場の施工が終わり、下見ができるのはイベント開催の3日前。その翌日、モデルが会場を楽しむ様子を撮影・編集し、24日には公開するというタイトなスケジュールだった。
「21日のロケハンの段階でチームのメンバーをモデルに見立てて撮影し、その日のうちに編集して30秒の構成をつくりました。撮影時にはその構成をもとに、ビデオグラファーとして自分がカメラを持ちながらモデルさんに細かい演出をし、自然な表情を引き出すことができました。撮影後はすぐに社内のエディターに素材を渡し、その日の内に完成に近い状態まで仕上げました」。
持ち前の瞬発力を活かし、現場で構成、演出を行い、柔軟なチーム編成でフローを構築することで、スピーディーかつクオリティの高い動画制作を実現した。
クライアントとも一緒に冒険がしたい
サンディのもう1つの武器は“柔軟性”だ。それぞれのメンバーが専門領域をしっかりと持っているが、柏田さんはその領域を超えた仕事のできるチームでありたいと力説する。
「映像制作はやるべきことがたくさんあって、その一つひとつの精度を上げることは大事ですが、全体のつながりも作品のクオリティに大きく影響します。だから“自分の領域”だけをやって終わりではなく、作品の質を上げるために領域をどんどん超え、できないことでも必要があればトライしていきたいです」。
サンディの新たな挑戦の1つとして、同社が初めて制作と配給を手がけた映画『だってしょうがないじゃない』が、現在ポレポレ東中野で公開中だ。同社に所属する坪田義史さんが監督を務め、発達障害を持ちながら一人暮らしをする自身の叔父を3年間撮り続けたドキュメンタリー映画だ。「見てくださった方から色々な反応を頂きます。つくった作品を、必要としている人に届けることもクリエイターの責任の1つなんだなと実感しています」と柏田さん。
そして、5期目を迎える今年、サンディは新しく「冒険をしよう!!」をタグラインに設定した。
「今までを振り返ったときに見えてきた、自分たちのスタンスを言葉にしました。クライアントから与えられた課題を発想と技術で乗り越えていくこと、プロジェクトごとにベストな形を1から考えて、瞬発力と柔軟性をもって取り組むこと。僕たちのアウトプットにフォーマットや決まったテイストはなく、つくり始めるときはいつも、どんなものができるか全くわからないんです。このメッセージは自分たちだけでなく、クライアントや代理店など、関わる人全てに向けたメッセージでもあります。未知の世界に飛び込んで、一緒に冒険したいですね」(柏田さん)。
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