HKT48を辞めた後、思い知った現実
ゆうこす:モテるってことは人に愛されるってことじゃないですか? 人に愛されるためには自分に自信があったり、自分のことを深く知っていないといけないと思うので、SNSや動画の中では「男をたぶらかそうぜ、彼氏何人もつくろうぜ」というよりは、「どうやったら自分に自信が持てるか」というところを発信してます。
澤本:モテの対象は、やっぱり女子からすると男子なんですか?男子にモテようってことなんですか?
ゆうこす:そう……私は完全にそうなんですけど(笑)。
澤本:そう言い切ってもらった方がいいね。
権八:そこがちょっと新しいですよね。ファッションにしてもメイクにしても、女子に人気があればというか、自分でいいと思えばいいじゃない、という風潮があるじゃない。自分が好きな物を着る、好きなメイクをする。でも、ゆうこすさんはそうじゃない、媚びようと(笑)。
ゆうこす:完全にそうですね、はい(笑)。
澤本:素晴らしい。
権八:素晴らしいのかどうか分からないんだけど(笑)、よくそこに振り切ったなと思いましたけどね。
ゆうこす:今の時代的には、自分の好きな物を好きなように着たいという人のほうが多いと思うんですけど、私はクラスに30人いたとしたら、そのうちの1、2人ぐらいの「ザ・ぶりっ子」「王道ぶりっ子」です。相手が好きと言ったものを着ることが一番の自信につながるし、私自身も楽しいと思っていたタイプでした。そういう子たちも世の中には絶対いるだろうと思ったので、女子全員に好かれなくてもいい、ぶりっ子女子だけ集まってくれ、というスタンスではじめたら、今SNSのフォロワー数が合計で150万人になりました。
澤本:凄いね。それだけいたんだね、やっぱりね。
ゆうこす:いてよかったな~と思って(笑)。
権八:でも、そこに至るまではいろいろ紆余曲折してね。元々アイドルで。
ゆうこす:そうなんです。7年前までHKT48という指原莉乃さんがいらっしゃったグループに所属してました。
権八:そこからどうしてモテを発信するようになったのか。最初のころの挫折話などもあるじゃないですか……。あ、そういう話はいりませんか?
ゆうこす:大丈夫です、私NGないですよ!ババーッと簡潔に話すと、アイドルを辞めた後すぐの頃に、あることないことというか、ないことないことでネット上で炎上してしまいまして。そこで悔しさや怒りが出てきちゃって「私ひとりでタレントやったるわ!」と思って活動してみたんですけど、炎上もしていたし面白くもなかったので、どんどん人気がなくなっちゃって。
その頃に開催した自主ファンイベントで100人規模の会場を借りたんですけど、たった3人しか来てくれなくて。「あー終わったな」と思ったんですよね。その時点でもフォロワー数3、4万人いたんですけど、それでも3人しか来てくれなかったんです。そこで、自分が好きなこと、応援されることを改めて考え直したときに、やっぱり“共感”が必要だな~と思ったんです。
まず自分のことを客観的に把握して、何が共感されるかと考えました。そしたらぶりっ子やモテだなと思って。それを男性に向けちゃうと商品になっちゃうけど、ぶりっ子、モテをしたいけどできない人たちに投げかけることで“共感”になって、代弁者的な発信をすると盛り上がるんじゃないかと思ってはじめたんです。
権八:今パーって話されてますけど、その間にはいろいろなトライ&エラー、試行錯誤があったわけですよね? ファンイベントやったら3人しか来なかったと?
ゆうこす:結構地獄でしたよ。そのイベントの趣旨としては私がゲームが好きなので、みんなでマリオカートのトーナメントをしようというものでした。あのゲームはマックス4人プレーなので、ずっと4人で画面割ってやっていて。なんて面白くないイベントなんだってなっちゃって、とにかくひとりでしゃべり続けて、本当にガールズバーみたいな感じでした(笑)。
権八:でも僕は凄いなと思ったのが、来たファンに「どうして来たんですか?どうして私のファンなの?」って聞いたんですよね?