「共感が大切」と思ったきっかけ
ゆうこす:そうなんですよ。それまで大きなドームで歌っていたので、初めて3人という場を自ら設けてですね(笑)。今考えるとよく聞いたなと思うんですけど、「なんで私のこと応援してるの?」と思っちゃって、そこでファンを質問攻めにするという鬼畜のようなイベントを開催しました。
権八:面白いよね。
ゆうこす:そこでファンの子から1分ぐらい答えが出なかったんですよね。
澤本:悩んだんだ。
ゆうこす:「顔が……かわいい……」みたいな感じで言われて(笑)。それってダメすぎるでしょうと思ったので、その理由がないとダメだなと気づかされて。恥ずかしながら。先に考えろやって感じなんですけど。
権八:あと、ファンの人たち同士がコミュニケーションを取らないことも気になったと?
ゆうこす:そうですね。たった3人のファンがそこでもしゃべらず。しかも、将来ゆうこすにこうなってほしいというところもバラバラで、そこが一貫するような発信ができてなかったんだなっていう反省になりましたね。
澤本:今回来ていただくのにあたって、ゆうこすさんの『共感SNS』っていう本を読みまして。今まで僕が思っていたゆうこすさんのイメージと違うというと変ですけど、こんなロジックに物事を考えてるんだっていうのにびっくりしたんです。
ゆうこす:ギャップモテですか?
権八:ギャップモテ(笑)。
澤本:その中で一瞬あれ? と思ったのが、料理をやったんですか? 失敗例のように書いてありましたけど。
ゆうこす:そうなんです。アイドルを辞めた後にデマ情報で炎上をしちゃって、そのとき、私は高校卒業したタイミングで、地元の福岡にいたんですけど。本当に後ろ指さされたりして。とにかく福岡を出たいと思っていたんですけど、上京するにしても仕事もないしどうしようかなと。
だから専門学校に行くという口実のもとに東京に行こうと思ったんです。「料理好きだから」ぐらいのふわっとした理由で上京して、料理の専門学校に入って。炎上したのもあって悔しかったので「私もタレント活動やっていて充実してるぞ」ってことをアピールしたくて「料理タレントです」と無理くりつけちゃったんですよね(笑)。
澤本:料理学校に行っているからそれにタレントをくっつけたような感じで?
ゆうこす:そうです。そこに対して大きな夢もなければ、やりたいこともなかったんですけど。
澤本:そのときはまだ戦略はなかった?
ゆうこす:皆無です。料理タレントは2秒でつけた名前で、戦略は皆無でした。
権八:自分なりの哲学というと大げさかもしれないけど、そういうものがなかったと。そうじゃなくて本当に好きなこと、熱量をもって語れることをやらなきゃいけないんだと、料理経験からそこに開眼していくわけですよね?
ゆうこす:確かにそうですね。
権八:なんか僕がめちゃ誘導してるよね、さっきから(笑)。ちょっと話を変えますと、ゆうこすさんは8月1日から開始したサイバーエージェントの期間限定クリエイティブディレクターに就任したと?