なぜ、ブランドについて語ろうと思ったのか?

ブランド=差別化? “牛の呪い”から解放されよう

ブランドとは差別化されていないといけない。これは大きな間違いです。

「ブランド(brand)」という言葉の語源は、家畜などに押した「焼き印(burn)」であることはよく知られています。昔、農家では自分の牛を、他の牛と識別するために熱く焼いた鉄印を押しました。転じてブランドは、「他者との差別化」を象徴する言葉になったと言われています。このことは大概のブランドの本の冒頭に書いてあります。ですが、このことが大きな弊害を生んでいることに気付いている人は少ないのではないでしょうか。

ブランドの教科書を読んだ結果として「ブランド=差別化」ということが頭の中に刻み込まれます。これを私は、はるか昔に熱い鉄印を押されて苦痛をうけた『牛の呪い』と呼んでいます。この呪いから解き放たれたとき、あなたは初めてブランドをつくることができるのです。

ブランドは差別化と信じ、ブランドは第五の経営資源などという間違った理解をして、28年間上手にブランドをつくることができなかった私は5年前にその呪いから解放されました。ブランド論を現実世界の言葉に翻訳することが少しずつできるようになり、それにともなって正しいブランドのつくり方、急速にブランド構築に貢献できるようになってきたと勝手に考えています。

次回以降では、現実世界のブランド論、つまりは実務者にとって不可欠なブランド論の翻訳方法について、順を追って説明していきたいと思います。

ブランド論を翻訳なしで読み解ける専門家の方々からすると幼稚くさく、正確でないところがあることは、わかっております。コラムでは厳密であることより、わかりやすさを一番大切にしたいので、なにとぞお許しくださいませ。

※本コラムの2回目記事公開は、2020年1月23日(木)を予定しています。

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片山 義丈(ダイキン工業 総務部/広告宣伝グループ長/部長)
片山 義丈(ダイキン工業 総務部/広告宣伝グループ長/部長)

1988年ダイキン工業入社、総務部宣伝課に配属。1996年広報部 広報担当、2000年広報部広告宣伝・WEB担当課長を経て2007年より現職。業界5位のダイキンのルームエアコンを一躍トップに押し上げた新ブランド「うるるとさらら」の導入や、ゆるキャラ「ぴちょんくん」ブームに携わる。現在は 統合型マーケティングコミュニケーション(IMC)による企業ブランド構築、マスとデジタルのB2C商品広告展開、広告媒体の購入、グローバルグループWEB統括を担当。日本広告学会員。

片山 義丈(ダイキン工業 総務部/広告宣伝グループ長/部長)

1988年ダイキン工業入社、総務部宣伝課に配属。1996年広報部 広報担当、2000年広報部広告宣伝・WEB担当課長を経て2007年より現職。業界5位のダイキンのルームエアコンを一躍トップに押し上げた新ブランド「うるるとさらら」の導入や、ゆるキャラ「ぴちょんくん」ブームに携わる。現在は 統合型マーケティングコミュニケーション(IMC)による企業ブランド構築、マスとデジタルのB2C商品広告展開、広告媒体の購入、グローバルグループWEB統括を担当。日本広告学会員。

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