サステイナビリティは文字通り顧客が求める持続可能な関係性
こうして考えていくと、D2Cブランドの多くが、従来の伝統的なビジネスでは予備的なものであった環境に対する負荷を最小限にすることを主眼に置くなどの「持続可能性」を自らの活動の基盤としていることとしていることも無関係ではないと言えます。つまるところ個人のプライバシー保護と同様に、製造から消費までの一連の過程のなかの環境負荷に対する「透明性」も、社会における一個人と企業が生み出す製品との関係を明示するものだからです。
国連が設定するSDGsで掲げられている17の大きな社会課題は、以前は国家や政府などの公共機関が中心となって長期的な視野で取り組み、市民をリードするものでした。ですが、今や世界の半数の人々が自らのデジタルデバイスとインターネットを使うことで、世界市民としての個人一人ひとりが、個人の自由と権利をもって選択することが可能になっています。
そしてそこから得られた直接的で透明性の高い情報のなかで、信頼できる本物の価値を企業の商品やサービスと継続的な関係を結ぶことによって、長期的な目標を達成するというビジョンになりつつあるのです。その意味でプライバシー保護という潮流は、より大きな意味を2020年以降に持つであろうという展望が見えてくるのです。