【前回コラム】「ブランドに足りないものを発見する、「未充足の欲求」という考え方」はこちら
ロウソクが斜陽産業からヒット商品に変貌した理由
インサイトをビジネスに活用するために、具体的に何をどうしていけばよいのか?多くの人のそんな悩みに答えるこの連載。今回は、ロベルト・ベルガンティ教授が唱える「意味のイノベーション」について取り上げます。
成熟化した市場環境において、製品やサービスを大きく変えるスマートフォンのようなイノベーションを起こす商品は、簡単にはつくれません。そこで、すでに存在している製品自体は大きく変えずに、売上を伸ばしたい。そう考える方は多いのではないでしょうか。
インサイトを活用すれば、機能面で大きな進化はなくても、消費者にとっての“意味を変える”ことでヒットを産み出すこともできるのです。
それを実現しているのがロウソクです。
欧州では、ロウソクの消費量が年々伸びています。
なぜでしょうか?
それは、これまで自社ブランド、そしてカテゴリー全体でも訴求していなかった、消費者が求めている新しい価値(シーン&ベネフィット)を見つけ出したからです。
ここで言う“新しい価値”とは、消費者にとっての生活上の“新しい意味”のことです。製品を変えずとも、その新しい価値、つまり消費者にとっての意味を変えれば、ビジネスは大きく伸ばすことができるのです。
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