製品を変えずにヒットを生み出す! 「意味のイノベーション」とは?

【前回コラム】「ブランドに足りないものを発見する、「未充足の欲求」という考え方」はこちら

ロウソクが斜陽産業からヒット商品に変貌した理由

インサイトをビジネスに活用するために、具体的に何をどうしていけばよいのか?多くの人のそんな悩みに答えるこの連載。今回は、ロベルト・ベルガンティ教授が唱える「意味のイノベーション」について取り上げます。

成熟化した市場環境において、製品やサービスを大きく変えるスマートフォンのようなイノベーションを起こす商品は、簡単にはつくれません。そこで、すでに存在している製品自体は大きく変えずに、売上を伸ばしたい。そう考える方は多いのではないでしょうか。

インサイトを活用すれば、機能面で大きな進化はなくても、消費者にとっての“意味を変える”ことでヒットを産み出すこともできるのです。

それを実現しているのがロウソクです。

欧州では、ロウソクの消費量が年々伸びています。

なぜでしょうか?

※ロベルト・ベルガンティ教授のTEDxにおけるプレゼンテーションより

それは、これまで自社ブランド、そしてカテゴリー全体でも訴求していなかった、消費者が求めている新しい価値(シーン&ベネフィット)を見つけ出したからです。

ここで言う“新しい価値”とは、消費者にとっての生活上の“新しい意味”のことです。製品を変えずとも、その新しい価値、つまり消費者にとっての意味を変えれば、ビジネスは大きく伸ばすことができるのです。

次のページで詳しく見ていきましょう。

次ページ 「ロウソクの“意味のイノベーション”とは?」へ続く

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大松 孝弘(株式会社デコム 代表取締役)
大松 孝弘(株式会社デコム 代表取締役)

大手広告会社を経て、2002年デコムを創業。2006年に日本初のインサイトリサーチに関する書籍「図解やさしくわかるイ ンサイトマーケティング」を上梓する。株式会社デコムは、設立以来、一貫してインサイトリサーチによるアイデア開発を提供。近著に『「欲しい」の本質~人を動かす隠れた心理「インサイト」の見つけ方~』など。

大松 孝弘(株式会社デコム 代表取締役)

大手広告会社を経て、2002年デコムを創業。2006年に日本初のインサイトリサーチに関する書籍「図解やさしくわかるイ ンサイトマーケティング」を上梓する。株式会社デコムは、設立以来、一貫してインサイトリサーチによるアイデア開発を提供。近著に『「欲しい」の本質~人を動かす隠れた心理「インサイト」の見つけ方~』など。

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