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データを取得することで健康に関するパーソナライズされた“コーチング”を行う
ユニリーバのCEOと共に、基調講演に参加したセールスフォース・ドットコムのCEO、マーク・ベニオフ氏は「テクノロジーは、様々なものをコネクトする」と述べています。さらに彼は最近、「テクノロジーのおかげで自分の自動車と“友達の様”な感覚を持つようになっている」とも話していました。ディーラーとも、他のドライバーとも距離が近くなっていく。テクノロジーが進化すればするほど、自動車にあらゆるものがコネクトされていくだろうという未来が語られました。
さらに「何と何がコネクトされていくのか」について、より具体的に説明したのが、フィリップスです。フィリップスのパーソナルヘルス部門のチーフビジネスリーダーであるロイ・ジェイコブス氏は「テクノロジーとはコンシューマーとプロフェッショナルにブリッジ(橋)をかけるもの」だと述べています。
ヘルスケアデータは広告メディアの在り方を変えてしまう可能性があることは、1回目のレポートで紹介しましたが、このヘルステック分野で頭ひとつ抜けた取り組みをしているのが、フィリップスではないでしょうか。
CESだけでなくSXSWをはじめとする他の大きな見本市でも、フィリップスは存在感を示しており「そのような企業は他にない」とエコノミストであるジェーン・サラソーンカーン氏は言います。
例えばスリープテックに関して言えば、昨年にはより良く眠るためのヘッドバンドを紹介しており、さらに今年はいびき防止のデバイスも展示しています。顧客がいびきを防ぐことができるようになったり、よく良く眠れるようになったり、より良い歯磨きできるようになったりするために、彼らはデータの収集と利用を進めます。その時にポイントとなるキーワードが“コーチング”です。
顧客の睡眠やいびき、歯磨きなどに関する大量のデータを収集し、それらを分析することでコンシューマーベネフィットにつなげる取り組みをしているという説明の中で、フィリップスのロイ・ジェイコブス氏は何度も“コーチング”という言葉を使っていました。大量のデータを取得するのは顧客の健康のためであり、データを分析して、フィリップスが有するナレッジを踏まえて、健康に関するコーチングを行う。
それは決して一般的なコーチングではなく、パーソナライズされたコーチングであり、例えば、「あなただからこそどのように眠るべきか」「どのように歯を磨くべきか」を伝えているというのです。ヘルステックがコンシューマーとフィリップス、そしてドクターをつなげて、健康に関するコーチングを顧客に提供していると言えるでしょう。