テクノロジーはコンシューマーとプロフェッショナルに橋をかける — 「CES2020」レポート④(玉井博久)

メーカーのプロフェッショナルとしての知識をサービス開発に活かす

このように、テクノロジーを使ってプロフェッショナルと生活者をつなぐ取り組みは、今後ますます加速していくと考えられます。例えばアシックスは、チップ入りのランニングシューズを展示していました。そのシューズを履いてランニングすると、リアルタイムにランニングデータが可視化され、ランニング終了後すぐに、どのような改善が考えられるとのこと。まさにプロフェッショナルによるランニングのコーチングが受けられるサービスと言えます。

アシックスはランニングデータをリアルタイムで取得できるチップをシューズに埋め込んだ。

走り終わるとすぐにランニングデータが可視化され、アドバイスも得ることができる。

このようにテクノロジーによって、メーカーがこれまで商品開発に使っていたプロフェッショナルとしての知識を、生活者をコーチングするというサービスにレバレッジしていける可能性があります。メーカーはこれまで培ってきた知識をハードだけでなくソフトにも適用範囲を広げることで、ビジネスチャンスを見出せるのではないでしょうか。

あらゆるハードがコーチングでサービス範囲を広げることができる。とうとう今年はこんなサービスまで登場した。

玉井博久

広告会社側(リクルートとTUGBOAT)のクリエイティブと、広告主側(グリコ)のブランド構築の両方の経験を生かして、デジタルを活用したマーケティングイノベーションをプロデュースし、カンヌライオンズなど受賞多数。現在グローバルブランドPockyの全世界の広告を統括し、売上に貢献。またシンガポールに駐在し、ASEANのECビジネスを立ち上げる。著書『宣伝担当者バイブル(宣伝会議発刊)』は若手マーケター・宣伝部員・広告会社社員に好評。

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