切り口探しが動画制作の第一歩 博報堂 小島翔太氏

世の中のことを知ることが企画につながる

Q.たくさんの切り口を思いつかれることに驚いたのですが、普段どのようなトレーニングをしていますか。

A.特別なトレーニングはしていませんが、普段からTwitterは頻繁に見ています。タイムラインには、メディアもインフルエンサーも普通の人も、誰がつくったものか関係なく、みんなの面白フィルターを通ったものがタイムラインになるので、常にチェックしています。打ち合わせの際にも、チームのメンバーとはTwitterで話題になっていたことをよく話します。

あとは、やっぱり自分の知識からしか絶対に発想できないので、世の中のことはできるだけ知っていた方がいいと思います。ちょっとでも話題になっているものは、漫画でも映画でも何でも見てください。友達やTwitterでよく見かける人が名指しでおすすめしているのを見たときは、迷わず即購入です。知っているのと知らないのでは全く違うので、少しずつ日常の中で学ぶことが大切です。

Q.ビジュアルに落とし込む際の、ディレクションのコツがあれば教えてください。

A.例えばヤクザのイメージを伝えるときにも、画像選びで印象が大きく変わってしまいます。「アウトレイジみたいなヤクザなのか、「仁義なき戦い」みたいな昭和っぽいヤクザなのか。どの画像、どの映像を見せると、一番伝わるかを考えることが大切だと思います。自分の頭の中のイメージとできるだけ近い、既に世の中にあるものを探しましょう。そこでも結局は、自分が世の中にあるものをいかに知っているかが重要になるので、常日頃から友人の話やドラマでもなんでも良いですが、引き出しを持っておくことが大切です。

Q.大学のサークルで映像を制作しています。機材はあるのに、仕上がりが安っぽくなり、困っています。

A.編集を勉強してみると良いと思います。バラードやラブストーリーをイメージして編集するのと、ロックやアクションをイメージして編集するのでは大きく絵が変わってきます。また、カメラを回しっぱなしの映像は味があるものの、安っぽく見えてしまうこともあります。いまそういう撮り方をしているのであれば、カット割りを学ぶとレベルアップできるかもしれません。

Q.企画を出すことはできても、その企画をブラッシュアップすることができません。どうすればよい企画にできるでしょうか。

A.広告の基本である、What to sayとHow to sayにもう一度立ち返ってみることも大切です。まず何を言うか考えて、それをどう表現し、落とし込むかという話です。しかし、どう表現するかという部分ばかりを考えて、何を言うかがあまりブラッシュアップされていないということも、よく陥りがちなミスです。

皆さん、たくさんの質問ありがとうございました。
BOVAへの応募は、賞金はもちろんですが、学生さんや若手のクリエイターにとってはキャリアアップにも役立ちます。こういう動画つくって、賞をとったということが、自分の名刺代わりになると思います。

実際に僕自身、いろんなコンペに応募しました。賞金を貰えるだけでなく、入賞すると、会社にもアナウンスされ、周りの人から「また名前出ていたね」と言ってもらえたり、自分を知ってもらう意味では本当に得しかないと思います。

イベントに参加された方、この記事を読んだ方が制作した動画を審査できるのを楽しみにしています。

BOVAのエントリーはこちらから

小島翔太
博報堂 アクティベーションプラナー

1989年生まれ。2012年博報堂入社。デジタル、CMに関わらず人が反応したくなる企画を行う。日清食品/どん兵衛「どん兵衛ポエム」「どんぎつね写真集」、ロッテ/クーリッシュ「クールクーラークーリッシュ」、資生堂/レシピスト「#たおりゅう」、大塚製薬/カロリーメイト「部活メイト」など。TCC新人賞。

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