デジタルとリアルの情報源の用いられ方を調査
日本プロモーショナル・マーケティング協会(=JPM)は、1月15日、創立50周年の記念事業の一環として「購買行動調査2019」を発表した。今回の調査では、従来のように店頭での購買の動機付けだけでなく、認知・体験などもプロモーションの機能ととらえ、一連の消費者の購買行動のジャーニーを対象として調査を実施。
デジタルテクノロジーの普及・進展により環境が急速に変化する中で、購買行動の各ステップで消費者が「デジタル情報源」と「リアル情報源」をどのように使いこなしているかという視点で、購買行動を分析した。
「リアル」はテレビ・新聞などのマスメディアや商品パンフレット、POPや店頭の売り場、店員からの接客などを指す。「デジタル」はメーカーやブランドのサイト、比較サイトや購入者レビュー、SNSを含む。
今回は耐久消費財、買い回り品、最寄り品など、商材によって情報行動の違いがあることを想定して、家電、化粧品・トイレタリー、食品の3カテゴリ7商品を対象とし、各商品400サンプルを取得した。
商品を購買するまでの①興味関心/情報収集②比較検討③体験④購買決定のステップにおける「役に立った情報源」について回答を得たところ、デジタル、リアルの両方を行き来しながら購買行動を行う2つのタイプが見えて来た。
約32%の消費者がデジタルとリアル両方の情報源を活用
調査の結果、リアルとデジタルの両方の情報源を役に立ったとした層(「しめなわ型」)は32%存在した。なかでも先述の4つの購買ステップのうち、3つ以上で「デジタルとリアルの両方」が役に立ったと回答した層(「アグリゲーション型」)は10.1%いた。
また、どちらか一方を活用する層「直線型」は64.0%で、役に立った情報源が無かったと答えた層は4.5%いた。うち直線型においては、「リアルのみ役立った」と答えた人は全体の52.4%、「デジタルのみ役に立った」と答えた人は11.6%だった。
さらに、デジタルとリアル両方を活用する層の特徴として、買い物の満足度や情報発信力が非常に高いことも分かった。
JPMでは今後さらにデジタル化が浸透する社会において、「しめなわ型」および「アグリゲーション型」の存在感が増えることを指摘。担当する商品カテゴリ・ブランドにおいて、これらの層の購買に関わる情報行動特性と生活接点を把握し、プロモーションに組み込むことが必須だとしている。
〈調査概要〉
・目的:生活者の購買行動プロセスを支える情報行動の実態を明らかにする。
・視点:生活者の買い物における「デジタルとリアル」の使いこなしの実際。デジタル情報源とリアル情報源は、購買行動プロセスにおいてどのように利用されているのか。
・調査対象カテゴリー:今回、3カテゴリー7商品(※)に関して、購買行動プロセスのフェーズ毎に、デジタル/リアルのどのような情報源に接触しているのかを調査した。
(※)耐久消費財、買い回り品、最寄り品などによって情報行動の違いがあることを想定して、以下の3カテゴリー7商品を調査対象に選定。
-家電(炊飯器/理美容家電)
-化粧品・トイレタリー(美容液/シャンプー・リンス・コンディショナー/オーラルケア)
-食品(ドレッシング/シリアル・グラノーラ)
・対象者:各商品400サンプル/7商品計2800サンプル
・調査方法:インターネット調査