※本記事は株式会社マスメディアンの『advanced by massmedian』に掲載された記事を表示しています。
「つくり手はそのまま消費者になる」
現在、およそ3万3000人もの会員数を誇るオンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」のオーナーという顔を持つ西野さん。「前回も話したように、つくり手を増やしてしまえば、つくり手はそのまま『消費者』になる。だからお客さんを増やそうとするよりもつくり手を増やしたほうがいい」と強調します。
その言葉通り、現在は広告代理店業に携わることも。「広告のようなものって、場合によっては邪魔者扱いされるけど、自分がつくったCMにはすごく興味がある。そうすると、クライアントである企業は、オンラインサロンに頼むようになると思ったんです。CM制作のオファーがきて、会員の3万3000人と『どんなCMにする?』『どのタレントを起用しようか?』と、全員が自分事としてアイデアを出し合うなかで、その間もCMになっている。だから企業から『この予算で、広告をつくってください』と依頼がある」と広がりを見せているそう。
また、今後については「会員数を増やしていくことよりも、この3万3000人で次になにをしていくか。だから、サロンメンバーの事業に出資しまくっています(笑)。オンラインサロンは有料ですから、そこで集まったお金はサロンメンバーに還元したほうがいいと思っている」と展望を語ります。
世界に出るには「鎖国性」が必要
ハヤカワさんの「オンラインサロンってある意味『クロージングな場所』ですけど、閉じた世界の重要性を感じていますか?」との問いに、西野さんは「現代じゃ、岡本太郎さんの太陽の塔ってつくれないと思うんです。つくっている途中に『税金をあんなことに使いやがって』と横やりが入って、たぶん企画が頓挫してしまう。そんな世の中では、横やりの入らない無難で丸いものしか残らなくなる」と言います。
だからこそ「面白いものやエッジの効いたもの、自信を持って世界に打って出るようなものって、『鎖国性』が必要になる」と声を大にします。
また、オンラインサロンのオーナーとしてコミュニティ運営をするにあたり、気をつけていることが2つあるとか。1つは、古参に威張らせないこと。「大体、文化やコミュニティって、古くからいる人が潰してしまうので、『威張るな』とは口を酸っぱく言っていますね」と話します。
そしてもう1つは、退会される方が出たときに一番コストをかけること。「(ルール違反などで退会となった場合)『はい、さよなら』ではなく、場合によっては直接会いに行ってお話させてもらうこともある。応援してくれていた、好きでいてくれていた人が、(急に)パンと切られたら恨みに変わってしまって、大体がネガティブキャンペーンを始めてしまう。オンラインサロンは閉鎖的な場だからこそ、外でそれをされてしまうと『そうじゃない』と証明するものがない」と説明します。
「声」で支持されたほうが寿命が長い
西野さんは、YouTuberの未来について「当然YouTuberは増えて、限られたパイを大勢で取り合う未来がくる」とイメージしたそう。そして、「もしいま、自分がYouTubeを始めるとしたらなにをやるだろうって考えたんです。それで、『いまのYouTuberが(視聴者を)取れていない時間帯ってどこだろう』と考えたときに、車の運転中やメイク中、シャワーを浴びているときとか、意外と動画って観られないシーンが多いなと。YouTuberは目が奪われている時間帯は取れていないけど、音声は『ながら聴き』ができる」との気づきから音声がむちゃくちゃ面白いと感じたそう。
さらには、「テレビタレントよりもラジオパーソナリティの寿命の方がかなり長いんです。その理由はとてもシンプルで、『声は年を取らない』から。だからビジュアルで支持されるよりも、声で支持されたほうが寿命は長い」とも話します。
現に、西野さんは昨年からボイスメディア「Voicy」で音声コンテンツを開始。それにより、新たな気づきがあったそうで「ランキングを見ると、上位に声の聴き心地が良い人たちが並んでいる。人が音声に求めているものって、情報量よりも声質なんだと思って。だからいま、ラジオって無茶苦茶良いと思います」と実感を語ると、ハヤカワさんは「意外と情報ってそんなにいらないのかも。(音声を聴く)隙間時間にまで情報を詰め込む必要がないのかもしれない」と同意していました。
【この記事の放送回をpodcastで聴く】
【この記事の放送回をイラストレポートで見る】
<番組概要>
番組名:マスメディアン 妄想の泉
放送日時:毎週土曜 24:30~25:00
パーソナリティ:ハヤカワ五味
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/mousou/
番組Twitter: @mousou_tfm
コンテンツパートナー記事とは
AdverTimes編集部が注目する広告界のオウンドメディアから
読者に届けたい記事を厳選し掲載しています。