20歳の起業家が考える日本の働き方の未来(ゲスト:谷口怜央)【後編】

日本人の働き方は変わっていくのか?

澤本:お父さんがゲバラを見ろっておっしゃったんでしょ。ということはお父さんもゲバラファンなの?

谷口:どうなんですかね。分からないですけど。

澤本:自分の父親ってやっぱり自分の将来に関係してきちゃうと思っていて、うちも昔「クレイジーキャッツ」という、ドリフの師匠みたいな人たちがいて。その中に植木等という人がいて、その人が出てるお笑い番組がテレビでやってると父が必ず僕を呼んだのよ。見たほうがいいと。映画『日本一のホラ吹き男』(1964)とか。それを見て、幼稚園や小学生ぐらいのときに、この人も偉いし、こういうものをつくる人は偉いなと思って。

権八:僕らは僕らで広告、映像、コミュニケーション、映画だったり、ちょっとでもこれを見た人が幸せに……というとおこがましいんですけど、心が軽くなったり、笑ったりしてもらえたらなと思っているんですよ。余裕がないと笑えなかったりするしね。思いつめてる人も、生きるのが辛くて自殺を考えたような人でも、芸人さんのコント、漫才を見て救われて、手首を切るのをやめたという人もいたり。僕らは僕らで人々の余裕、幸せに興味があるんですよ。怜央くんは広告って興味あります?

谷口:ビジネスモデル的にも興味はありますし、もちろんできる限りキャッチアップしようと思ってます。

権八:タクシーに乗るとスタートアップ系の企業が盛んに広告やるじゃないですか。目立つものがあって。Wakrakもいずれ広告をされたらいいんじゃないですかね。

谷口:目指してる世界観と最初に提供していくソリューションがちょっとかけ離れてる部分があるんですよ。段階を追っていけばビジョンにたどりつくんですけど、まだそこまでに達していないところで提供しているので、伝えたいことと、伝わってしまうことがズレてしまうだろうなと感じてますね。

どうしてもサービスの成長というところにフォーカスしてしまうと、提供したい、伝えたいことではないことでユーザーさんを集めていかないといけなかったりするので。そこらへんが自分的には、どうだろう? と思う部分ではありますね。

澤本:今、意識していろいろな人と会おうとはしているんですか?

谷口:少しずつしてますね。僕はもっともっと表に出て、自分自身が広告塔になっていきたいと思っています。

澤本:たぶん、それが一番早いし、正確に伝わるしね。

権八:怜央くんから見て、日本人の働き方は変わっていくと思いますか?

谷口:働くということ自体は変わらないと思ってまして。“働く”が変わるというより、それに付随するまわりが変わっていく、という感じは受けてますね。その人自身がアウトプットを出すという軸は変わらないわけですよ。そのまわりの就業時間だったり、付随してるものはどんどん変わっていくと思います。働く、働かないというのは変わらないと思います。

権八:古い考え方かもしれませんが、働くことがその人の自己実現になるということもありますよね。さっき怜央くんは今の学生は何をしたいか、どんなことをしたいかじゃなくて、“就職したい”ということが目的になっていると話していたけど……。

これは理想論かもしれないけど、働くということが自分を体現できることにつながればいいよね。僕らよく言われるわけですよ。「好きなことをやれていいね、幸せでしょ」と。仕事の内容そのものが自己実現だったり、幸せや心の余裕につながっている。そういう考え方についてはどうお考えですか?

谷口:僕らがつくらなければいけないのは、第一に仕事がある状態。その後に自己実現だと思っています。その人がワクラクを使わなくてもいいんですよ。でも、それが存在している世の中をつくる必要があると思います。例えばアーティストが音楽をつくったり、絵を描いたりしているなかで、それで生計が立てられないときにすぐに戻ってこられる存在。戻るというと語弊がありますが、すぐに仕事を得られる状態を世の中につくっておく必要があると思っています。

つまりインフラにしたいと思っているんです。今の就職の仕組み、仕事を得る仕組みは、すべての人に提供されてないのでインフラじゃないと思っていて。僕はそこを変えていきたいと思ってますね。

次ページ 「Wakrak、3000事業所を突破!」へ続く

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