人を動かすためには、3つのステップと“USA”を押さえたアイデアが重要
本セミナーの講師として登壇したボランチの松重宏和氏は、クリエイティブを軸としたブランディングや企業のプロモーション活動の支援に、多数の実績を持つ。
これまでの経験から、松重氏は「生活者を動かすには、3つのステップが重要」と話す。1つめは、商品やブランド、会社を知ってもらう「認知の獲得」。2つめは、「意識の変化(パーセプションチェンジ)」で、その商品を通して、生活者がそれまでまったく意識していなかったことを意識させるよう促すステップ。3つめは、実際に生活者に行動を起こさせる「行動の変化」だ。
「この3つは順番が重要で、認知がないのに行動の変化を起こしても、最終的にブランドや商品に結びつかないことが多い。順番に一つずつやっていくことで、結果的に費用対効果もよくなります」
では、人を動かすアイデアとは何か。松重氏は「たくさんの事例を見て分析してきたなかで、生活者を動かすアイデアには3つの共通点があると考えています」と述べ、それらの頭文字を取って“USA”と紹介した。
Uが表すのは「ユニバーサル」で、生活者やターゲットにある共通認識を押さえることだ。「これがなければ、どれだけおもしろい施策でも自分事と捉えられず、刺さらない」と、松重氏。Sは「シンパシー」で、共感性や納得感があること。Aは「アメイジング」で意外性やサプライズを指し、これはクリエイティビティという言葉とも置き換えが可能だ。
例えば、松重氏が手がけた資生堂のWASOのプロモーションイベントでは、「美しくなれる八百屋 WASO」を代官山に3日間オープン。インスタ映えする内装や展示物のギミックで興味を引くと同時に、商品の体験などを行った。
「ユニバーサルで意識したのは、気になる情報は自ら探しに行きたくなるということ。商品の情報をさまざまなギミックで隠し、それを見つけてもらう遊びを取り入れました。シンパシーは、インスタ映えする写真を撮れるということ。来場した人は必ず写真を撮り、なかには商品を入れて撮る方もいました。アメイジングは、資生堂がまさかの八百屋をオープンしたということで、情報が拡散するフックになりました」
販促コンペの審査基準として重視しているのは、人が動く「リアリティ」、実現できる「フィジビリティ」、そして「クリエイティビティ」だ。「販促コンペは、特定のお題に対してアイデアを出し、それを毎年ほぼ同じ顔ぶれの審査員が見るため、審査基準がブレにくい。特に、実現できるかというフィジビリティまで評価するのが、このアワードのおもしろいところだと思っています」
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