あなたの企業・製品・サービスは凡人です! ブランド論の教科書が与える幻想

あなたのブランドは、永遠にスーパースターブランドにはなれません!

(スーパースター)ブランドの定義が間違っている絶対的な理由を説明するためには、あなたに悲しい現実をわかってもらう必要があります。

そもそも世の中にあふれるブランドに関する情報は、(究極の、稀有な、超優秀な=専門家が認める本物の)ブランドのものです。アップル、NIKE、スターバックス等の情報から学んでしまう。そして当然のことながら、これをお手本にブランドをつくろうとすると、無意識のうちにスーパースターブランドを目指してしまいます。

でも、それは無理なことなのです。どんなに頑張ったところで、あなたの育てようとしているかわいい子供たち(企業・製品・サービス)は絶対にスーパースターにはなれません。なぜならそのためには、恐ろしいほどの才能が必要だからです。

アップルやスターバックスは生まれながらにして、独自性があり、差別化されています。いいかえると、世の中にない独自性と差別化された製品・サービスを提供するために企業が生まれ、世の中に圧倒的に支持され愛されたことで、スーパースターブランドとして今や存在している。

人間で言えばスーパースター。マイケル・ジャクソンに安室奈美恵、才能にあふれるだけでなく、神様にも愛された、めったに生まれない成功事例です。

もちろん、あなたの企業・製品・サービスは、そこそこは優れているはずです。そうでなければ、厳しい競争社会の中で、なくならずに存在しつづけることなどできないのですから。でも無念ですがスーパースターほどの独自性や差別化をもっていません。人でいえば、凡人、平均的な才能です。それでは、どう頑張ってもスーパースターブランドにはなれません。

次ページ 「ブランド論は、超優秀なブランドが前提の方法論」へ続く

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片山 義丈(ダイキン工業 総務部/広告宣伝グループ長/部長)
片山 義丈(ダイキン工業 総務部/広告宣伝グループ長/部長)

1988年ダイキン工業入社、総務部宣伝課に配属。1996年広報部 広報担当、2000年広報部広告宣伝・WEB担当課長を経て2007年より現職。業界5位のダイキンのルームエアコンを一躍トップに押し上げた新ブランド「うるるとさらら」の導入や、ゆるキャラ「ぴちょんくん」ブームに携わる。現在は 統合型マーケティングコミュニケーション(IMC)による企業ブランド構築、マスとデジタルのB2C商品広告展開、広告媒体の購入、グローバルグループWEB統括を担当。日本広告学会員。

片山 義丈(ダイキン工業 総務部/広告宣伝グループ長/部長)

1988年ダイキン工業入社、総務部宣伝課に配属。1996年広報部 広報担当、2000年広報部広告宣伝・WEB担当課長を経て2007年より現職。業界5位のダイキンのルームエアコンを一躍トップに押し上げた新ブランド「うるるとさらら」の導入や、ゆるキャラ「ぴちょんくん」ブームに携わる。現在は 統合型マーケティングコミュニケーション(IMC)による企業ブランド構築、マスとデジタルのB2C商品広告展開、広告媒体の購入、グローバルグループWEB統括を担当。日本広告学会員。

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