イベントの主役は誰なのか?

アスリートの視点

若いアスリートが主役になり力を発揮でき、今後のモチベーションに繋がることである。与えられた舞台で自身のパフォーマンスを存分に発揮できる機会を活かして最大限ぶつかりあえるか。最終的にはそのパフォーマンスが次に繋がるか、観客の心にどれだけ残っているかが肝要。勝っても負けても自身に納得したり、周囲を動かす力を出せたらそれだけで主役であることは確かだ。

観客の視点

多くの参加者からは応援が自分の力になったとコメントがあったが、これは観客のメリット。15歳以下というユニークな場所だからかもしれないが、小さいお子さんからおじいちゃん、おばあちゃんまで純粋に楽しんで彼らを応援した。自分の家族でなくても、全ての参加者に対して称賛をおくり、声を出して応援していた。

スポーツの勝敗がこの応援という形によって本当に力になっていることはすでに証明されている。ラグビーW杯でも選手はみんなの応援が支えとなったと言っている。観客という存在はイベントにおいて勝敗を左右する大事な部分を担っており、その存在なしではイベントは盛り上がらない。だからこそスポーツは本当に面白い。

スタッフの視点

アスリートや観客からありがとうの一言があれば、それだけで今までの努力が報われると同時に、自身のプライドに繋がる。これがスタッフにとってのメリット。裏方と言われれば勿論だが、イベントづくりにおいてスタッフの存在と努力なしでは成り立たない。

準備から同日の運営において、スタッフがその場を盛り上げるために、どれだけ参加者が安全でハッピーになれるのかを常に考え、柔軟に対応することは、本当にイベントの成功と失敗を大きく左右する。彼らの力なしではなり得ないことを通常あまり意識せずにイベントは進んでいるのだが、私自身はこの存在を最大の貢献者として称賛したい。

シーンの視点

イベントによって、スポーツシーンを強化し、盛り上げることができる。ストリートスポーツはまだまだ発展途上な分野であるが、カルチャーを盛り上げようとするシーン関係者の気持ちはとても強い。特に後継者を作るために相当な努力を行なっている。今回は、複数ジャンルを交えての大会としているが、クロスジャンルでやることには意義がある。

お互いのスポーツを知ったり認めあったりすることはファンの醸成に繋がる。一つのスポーツだけを応援するのでなく、複数のジャンルをサポートし応援し合えることも小さなスポーツシーンにおいてはとても大事である。そういう意味ではストリートのジャンルは横の連携も多く、アスリート同士の交流も多い。なかなか注目されない部分が多く、予算という点でも限られていることは確かだが、彼らの気持ちを主催者側で汲み取り応えられるか、それに対して彼らがどれだけのことをもたらせるかの両軸である。

次ページ 「場所の視点」へ続く

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長田新子(一般社団法人渋谷未来デザイン 事務局次長兼プロジェクトデザイナー)
長田新子(一般社団法人渋谷未来デザイン 事務局次長兼プロジェクトデザイナー)

AT&T、ノキアにて、情報通信及び企業システム・サービスの営業、マーケティング及び広報責任者を経て、2007年にレッドブル・ジャパン入社。最初の3年間をコミュニケーション統括、2010年から7年半をマーケティング本部長として、日本におけるエナジードリンクのカテゴリー確立及びレッドブルブランドと製品を日本市場で浸透させるべく従事し、その後独立。現在は2018年4月に設立された一般社団法人渋谷未来デザインの事務局次長兼プロジェクトデザイナー。

長田新子(一般社団法人渋谷未来デザイン 事務局次長兼プロジェクトデザイナー)

AT&T、ノキアにて、情報通信及び企業システム・サービスの営業、マーケティング及び広報責任者を経て、2007年にレッドブル・ジャパン入社。最初の3年間をコミュニケーション統括、2010年から7年半をマーケティング本部長として、日本におけるエナジードリンクのカテゴリー確立及びレッドブルブランドと製品を日本市場で浸透させるべく従事し、その後独立。現在は2018年4月に設立された一般社団法人渋谷未来デザインの事務局次長兼プロジェクトデザイナー。

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