ラッシュ・インターナショナル
代表取締役
倉田満美子氏
私は、飲食店などの店舗や、ECサイトのエンドユーザーを持つ企業に対して、女性視点を生かした販促・集客コンサルティングを行う会社を経営しています。ニューヨーク視察研修に参加した目的は、広告宣伝業界で最先端を行くニューヨークでの実情を自分の目で見て、肌で感じ、クライアント企業に対してコンサルティングを提供する際のヒントを得ることでした。
今回の視察で、印象に残った2つのキーワードは「ファーストパーティーデータ」と「パーパス・ドリブン」です。企業のポイントカードやSNS会員の「数」ではなく、顧客自身がその企業とのつながりを承認している「つながり方の質」に重きを置き、顧客にその企業自体の「ブランド価値、存在意義、目的」などを伝える手法を、視察で訪れた企業とのセッションで知ることができたことが最も大きな収穫です。
帰国してから、ニューヨークで先取りしてきた知識や学びを宣伝手法に取り入れたプレゼンテーションを行い、その企画がクライアント企業で実施されることになりました。3年後には日本でも、今回見てきたニューヨークの企業の考え方がスタンダードになっていくのだろうな、と確信しています。
ベストインクラスプロデューサーズ
マーケティングプロデューサー
マネージャー
中村元海氏
マーケティング活動そのものの変革が求められている現代において、支援会社としての未来の形のヒントを得ることを目的に参加しました。
Advertising Weekでの今、注目されているD2CブランドのCEOによる講演や、視察先支援企業の話を通じて前述の目的は十二分に達成でき、とても実りある研修でした。ブランドから顧客に対して一方向で価値を提供していくブランド育成/構築の形から、理念を軸として顧客とつながり共に共創していくブランド育成/構築の形へ。支援企業の無形の価値をプロセスを通じて可視化し、クライアントと共に協業しながらソリューションしていく、対面型から伴走型の支援形態へ。対顧客、対企業とのコミュニケーション変化をとてもリアリティをもって感じることができました。
マーケティングプロデュース業を事業ドメインとする当社では、この世界的な潮流はとても学びが多く、これから日本のマーケットでも起こりうることを予見しながら、クライアントとの関わり方も変化させていきたいと考えています。「で、どうする?」という、帯同講師の榮枝さんのお言葉を胸に、しっかりと行動に移していきたいと思います。
博報堂
人材開発戦略局
マネジメントプラニングディレクター
百合岡隆史氏
デジタルテクノロジーがますます進化し、市場の垣根が融解して産業構造が転換するといわれるなか、米国の先進的なエージェンシーに直接訪問できることに魅力を感じて視察研修に参加しました。心に残ったキーワードは「システム思考」と「パーパス」。注目していたDroga5と博報堂DYホールディングスのkyuグループでもあるSYPartnersの2社それぞれで、この2つの言葉を聞いたことが印象的でした。
「システム思考」は、Amazon創業前のジェフ・ベゾス氏が紙ナプキンに書いた「ループ図」でも有名ですが、解決すべき多くの問題をシステムとして捉え、それらのつながりから解決の糸口を見出す方法論です。特に今回、Droga5で聞いた「我々のコアはクリエイティブとデザインだが、提供価値を拡張するためにシステムレベルで考えている」とのコメントが印象深かったです。
「パーパス」は、ブランディングにおいても、人材開発においても近年よく聞くワードですが、特にSYPartnersが自社のパーパスを「That’s the work we do everyday.」と紹介していて、「目指す理想の姿」と同時に「初志貫徹する意志」を感じたことが強く心に残っています。
私が携わる人材育成の仕事は、いわばインターナルブランディング。そこで「我々はなぜ日々努力しているのだろうか?」とパーパスを問うことが、大きな時代の変化のなかでも自社の提供価値の拡張につながると感じます。この学びを今後に生かしていきたいです。
2020年度の本視察研修は10月4日(日)から10月11日(日)に開催予定です。最新情報は、Webサイト、またはメール(global-educ@sendenkaigi.co.jp)までお問い合わせください。