花苗・花鉢などの開発や生産、販売を手がけるサントリーフラワーズ(東京・港)は2月14日、クリエイターと協業して制作したweb動画6本を公開した。今年から新たにアカウントを開設したInstagramを含む同社のSNSを積極的に活用して、ガーデニングの楽しさや「サフィニア」など同社の花の魅力を、より効果的に発信するための取り組み。
サントリーフラワーズ 花ビジネス部 河内由美氏は、「これまで1分~5分程度の商品紹介動画などはありましたが、今回のような7秒~11秒程度の短尺動画は初めての試み。より多くの方に見ていただきたいですし、効果を検証していきたいと考えています」と話す。
参加したのはイラストレーター 大野太郎氏、北構まゆ氏、平澤南氏の3人。それぞれのイラストを、GIFMAGAZINE(ジフマガジン)(東京・渋谷)の協力により動画に仕立てた。できあがった動画を紹介しよう。
大野太郎氏
大野氏が制作したのは、サントリーフラワーズのサポートセンターの存在を伝える動画と、暑さに強い「サンパラソル」という花の魅力を伝える動画だ。
前者について大野氏は、「自分もサボテンなどを育てたことがありますが、枯らしてしまい、誰にどう相談すればよいかわからなかった経験があります。このサポートセンターがあればどれだけ心強かったことかと、今回のテーマに共感する部分がありました。ただ、サポートセンターがある魅力をそのまま伝えるだけでは、SNSなどでは印象に残らず、見てもらえたとしても記憶に留めてもらうのは難しい。
自分の強みである、コミカルなキャラクターや動き、GIFゲームなどの遊びの要素をうまく使って、見る人にまずは面白さ、インパクトから入ってもらえるように考えました。そこで最終的にたどり着いたのが、花の元気がなくなったら、応援ダンスをするのではなく、サポートセンターに相談しましょうという流れ。家族のコミカルで健気な様子と、サポートセンターの方の真面目かつ誠実、やさしそうな様子を対比させ、面白く印象に残りやすい、『サポートセンターの安心感』も感じてもらえる動画にしました」と説明する。
「後者(02)も同様です。暑さに強いことをどのように、面白く印象に残るようにつたえるか。最終的にゲームの要素をいれ、人と対決させることにしました(笑)。普段の制作活動から意識しているのは『成功も失敗も面白い』ということです。今回の2本も、一方(01)が成功(正)、もう一方(02)が失敗(誤)という対比構造をとっているのですが、双方を持ち上げ、どちらも面白く愛されるような表現を心掛けました。『成功も失敗も含めて全部楽しもう』とう想いがあります」(大野氏)。
平澤南氏
淡いピンク色を基調とした、女の子が主人公の動画を2本制作したのは平澤氏。
「サフィニア『ももいろハート』は花弁にピンク色のハート模様が入っています。これが素直に可愛らしいと思ったので、動画(03)内ではこの花のイメージにふさわしい、可愛くて愛らしい女の子を描きました。
もう一方(04)では、サフィニアの花の増え方、増えるスピードに自分も驚いたので、その感情が素直に伝わるよう表現しました。その際、『怖いびっくり』ではなく、『うれしいびっくり』になるように留意しています。どちらの動画も、動画を見た人に、まさにお花がそばにあるときの、嬉しい気持ちや優しい気持ち、癒しを感じてもらえるようにと考えて制作しました。そのほか、あくまで花が主役なので、人物の服などの色味はくすませるなどして邪魔にならないようにしています」(平澤氏)。
北構まゆ氏
北構氏は、「サフィニア」の花の増え方にスポットを当てた動画と、花の模様のバリエーションの豊富さに焦点を当てた2本の動画を制作した。
「花の増える様子や模様のバリエーションを見たときに、インパクトや魅力を感じたので、今回はそれをシンプルに伝える表現にしました。そのため、実際の花の写真を使用しています。
花の魅力をそこなわずに引き立てられるよう、嫌味にならないキャラクターの人物像、親子の距離感、配置、動き、色、写真とイラストのなじみ具合等々、さまざまな要素を考慮しながら制作しました。また、今回ターゲットが30代の女性ということもあり、それをふまえた人物の髪型や服装、色味などにもこだわっています。普段、街に出て人間観察をしたり、リアルデジタル問わず情報収集を続けている習慣が活きたと感じています」とコメント。
制作された動画は今後、YouTube、Instagram、Twitter、LINEなどのSNSでの拡散やクイズキャンペーンなどに活用予定。河内氏は「店頭で動画が流せるようになった暁には、新たなツールとして販促活動に活かしたい」としている。
制作者プロフィール
平澤南氏
2012年よりフリーランスのイラストレーターとしての活動を開始。健康関係や生活実用書などの書籍、雑誌のイラストを中心に手掛けている。
北構まゆ氏
美術大学卒業後、Web制作会社でデザイナーとして就職。現在はフリーランスのイラストレーターとして広告、雑誌、パッケージなどのイラストを手掛けている。
大野太郎氏
イラストレーター、GIFクリエイターとして書籍、web、など媒体問わず幅広く活動。Twitter上で「たろう(な気分」名義で連日GIFゲームを投稿しており企業とのコラボGIFゲームも制作。GIFゲーム制作本数でギネス記録申請中。ほんわかとしたキャラクターと作風が特徴。