「悩み」軸の訴求が響く40~50代向けの発信のポイント
あゆみは、女性向け美容Webメディアの運営を行っていることから、本セミナーを開催した。
第1部の講演にはあゆみ代表取締役CEOの扇英資氏が登壇。40~50代はインターネットを日常的に活用しているのにもかかわらず、この世代の女性向けコンテンツは紙媒体に集中し、デジタル化が遅れているという課題を指摘した。こうした課題感を踏まえて、あゆみではエイジングケアをテーマとした、美容の専門家の記事を毎日配信するWebメディア「つやプラ」を運営している。
「つやプラ」は固定読者獲得のためLINEアカウントに注力し、2019年6月に月間PV数が2800万PVを突破。日本最大級のエイジングケアメディアに成長を遂げている。「つやプラ」のLINEアカウントは約277万人の“友だち”がおり、9割以上を40歳以上の女性が占めるという。
「Webの女性向け情報メディアは若年層を対象としたものが中心で、エイジング世代向けのメディアで大規模なものはほとんどない状況。しかし当然ながら、この世代もインターネットで情報を得ているし、スマホも使っている。また美容に関しては、若い世代に比べて悩みが深いので、情報をより欲している。自分たちに合うWebメディアやアプリがあればどんどん活用するはず」(扇氏)。
実際「つやプラ」ユーザーひとり当たりの平均訪問数は9.3回/月(2019年6月)と高い。さらに扇氏は「エイジング世代の情報行動にはいくつか特性がある」と指摘。同社のリサーチ結果から、この世代は情報閲覧端末としてPC利用率が高い、スマホユーザーにはLINEやヤフーなどメジャーなアプリユーザーが多い、情報取得において受け身であることが多いといった特性が見られた。
また、スキンケアにかける金額が高額になるほどコスメへの認知・理解・購入決定に対してインターネットの影響が大きくなることもわかった。最後に扇氏は、「デジタル環境が未成熟だからこそチャンスがある」と話した。
第2部のパネルディスカッションには、扇氏、「つやプラ」にて音声コンテンツで協業している人気美容家の石井美保氏、パナソニックビューティ宣伝企画担当主務の山本智子氏、花王コンシューマーリレーション開発部長の鈴木愛子氏、「つやプラ」の鈴木舞編集長が登壇し、女性エイジング世代のコミュニケーションの課題などを議論。
「悩みの熱量が高いこの世代は、ブランド軸より悩み軸での訴求の方が響く」(山本氏)、「背中を押してくれる後ろ盾を求めている人が多いと感じる」(石井氏)、「自分たちに合う、信頼できる情報を提供してくれるコンテンツの数が圧倒的に足りていない」(鈴木愛子氏)といった意見が挙がった。
扇氏は「デジタルだからこそのインタラクティブ性が、悩みを解決したいと考えるエイジング世代に適した情報提供の形を可能にするのではないか」と、今後のメディア運営の展望を語った。
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