いつももっと こうだったらこうだったらって、思ってる。
いっぱいいいとこあるし、すごくがんばってるのに。
あの子になりたい?
あなたの見えないそのうぶ毛が
ココロも曇らせてるキレイにしたら
あかるくなるよあの子にはなれないし、なる気もない。
だって私は、私を、かわいくできる。
制作されたムービーは、貝印「bi-hada ompa」の特設ページでも公開中です
絵コンテ
拝啓、がんばる女性の皆さん
「あなったてフシギ。いつももっと こうだったら こうだったらって、思ってる。いっぱいいいとこあるし、すごくがんばってるのに。」。
忙しい毎日を生き抜く女性に送る手紙のような「うぶ毛のうた」とアニメーションからなるシネアドを制作したのは、太陽企画のディレクター みしまわかなさんだ。みしまさんは入社後、3DCG・VFX(ビジュアル・エフェクツ)のデザイナーを経験したことから、実写だけでなく、アニメーションでの表現も得意としている。
今回の動画では、他人と自分とを比較してブルーになってしまう気持ちを「ココロのうぶ毛」と表現。それをシェービングすることで、自分なりの美しさに気づき、「あの子にはなれないし、なる気もない。だって私は、私を、かわいくできる。」と自信を取り戻す女性のストーリーを描いた。「うぶ毛のうた」の作詞を手掛けたのもみしまさんだ。
貝印から受けたオリエンテーションは「顔のうぶ毛を手入れする商品『bi-hadaompa』を使用してほしい」ということだった。みしまさんは「制約が少なく自由な部分が多いので、プレゼンの際は実写やアニメーションなど、さまざまなパターンを用意しました。『bi-hada ompa』が若い女性をターゲットにした商品であること、今回のシネアド企画は『女性の活躍を応援する』がテーマであることから、進めるうちに弱っている女性に手紙を書くような気持ちで企画をするようになってきて。あえて実写で細部まで描かない方が、見た人に『自分のことかも』と感情移入してもらいやすいのではないかと思い、最終的にアニメに落ち着きました。人が弱っている様子や、商品を使っている様子を実写で描くのが生々しすぎる気がしたのも、アニメを選んだ理由のひとつです」。
匿名性を保つことでより多くの人の共感を促すべく、顔を描かない作風が特徴的なイラストレーター 一乗ひかるさんに依頼。
一乗さんに演出コンテに沿ってイラストを描いてもらい、アニメーターが細部を動かす手法をとった。大胆な構図に鮮やかな色使い、版画風のテクスチャーの一乗さんのイラストを動かす際には、温かさを伝えられるように気をつけたという。
「動かし方によっては、インフォグラフィックのように無機質な印象にもなる絵だと思います。今回は温かさを演出したかったので、パキっとした四肢の動きではなく、髪やスカートなどに風が通りぬけるような、緩やかな動きをつけました」。
同様に、女性の心に寄り添い、肩の力をスッと抜くような「うぶ毛のうた」の作曲と歌は、みしまさんが「ピュアな感じが素敵で、今回の企画にぴったり」と提案した、繊細でポップな曲を手掛けるシンガーソングライター さとうもかさんが担当した。
制作を振り返り「バンパー広告のように短尺でもなく、スキップもできず、1分間見続けていただくのがシネアド。だからこそ宣伝的にアピールするのでなく、見た後にほっこりと感じていただけるように意識しました」とみしまさん。
「女性の活躍を応援する」というテーマについて、自身も普段、女性やファミリーを主なターゲットとしたCM の企画・演出を数多く手掛けているみしまさんは「今回に限らず、商品を通して誰かを応援するような気持ちで企画演出をすることが多いですね」と話す。
「映画館でこのシネアドを見てくれた人が少しでもポジティブに、温かい気持ちになってくれたら嬉しいです」。
過去作品
- CD+企画+演出+編集+作詞
- みしまわかな
- PR
- 加藤美夏
- アニメーション
- 内藤彰子、近藤剛、鍛治靖子
- 編集
- 脇川諒、二階堂正美
- I
- 一乗ひかる
- 音楽
- 山田勝也
- 作曲+歌
- さとうもか
- CG
- 山口弘太、山田明歩
- MA
- 藤原礼実、久保七海
みしまわかな
Director
CMの3DCG・VFXデザイナー・ディレクターを経て、企画演出に。ACC賞など広告賞の他、オリジナルフィルムでも国内外多数受賞。女性・ファミリー向けCMから、CG合成・アニメーションまで幅広い表現で多くのCMを手がける。2児の子育ても奮闘中。