働く・学ぶ・暮らすシーンで新しい価値を生み出すプロダクトデザインを集めて商品化を目指すコンペティション「コクヨデザインアワード2020」の受賞作品が決定した。
本年度は、「♡(ハート)」がテーマ。あえて「♡(ハート)」の読み方は設定せず、「♡(ハート)」という記号をどのように読み、解釈するかを応募者に委ねている。
そのテーマのもと、国内外55か国から応募された合計1377点(国内:771点、海外:606点)から、グランプリ1作品、優秀賞3作品の計4作品が選出。審査員を務めたのは、植原亮輔さん(KIGI)、川村真司さん(Whatever)、田根剛さん(Atelier Tsuyoshi Tane Architects)、柳原照弘さん、渡邊良重さん(KIGI)。
グランプリは、友田菜月さんと三浦麻衣さんによるユニット「オバケ」の「いつか、どこかで」。一見、普通の鉛筆だが、よく見ると側面に住所と部材名が書かれている。ここに記されているのは、この木が使われていたかつての建物や家具の場所だ。
「これは、前世を持つ鉛筆。この世から消えてしまうはずだった、廃材によって作られます。凹凸のある質感や硬さ ほのかな香り、キズ、日焼けの跡、塗料の色、木目…手にした途端、1本1本ちがった豊かな表情に出会えるはずです。この木だけが知る記憶が、鉛筆に移植され残り続けていく。今じゃないいつか、ここじゃないどこかを、心に描いてみてください」と、作者は本作品について語っている。
本アワードでは受賞作品の商品化にも力を入れており、今までに18作品の商品化を実現。商品化されたアイテムの中には、MoMAのパーマネントコレクションに認定された「カドケシ」や、ONE SHOW、カンヌライオンズなど国際的な広告やデザインの賞を多数受賞した「なまえのないえのぐ」、iF Design Awardを受賞した「本当の定規」などがある。
優秀賞は、以下の通り。
作品名:
オルゴールテープカッター
作者:
鳥山翔太、柳澤駿
マスキングテープカッターにオルゴールの要素を加え、テープを引き出す動作に連動して綺麗な音色が流れる。
作品名:
オヤコゴコロ
作者:
山川洋平
本体を強く押した瞬間から電池が切れるまで、現在地とSOSメッセージを一定間隔で送信し続けるブローチ型IoTデバイス。
作品名:
FROM TREE TO FOREST
作者:
Tuncay Ince
木と人間、森と社会の関係を意識したデザインで、見た目も楽しく機能的な文房具。