新型コロナウイルスにより、イベントの開催の必要性を検討するように政府が発表したのは、2月20日のこと。同26日には、以降2週間に開催予定だったイベントの中止や延期、規模縮小が要請された。
この非常事態に助け舟を出すように、2月末から現在に至るまで、多数の企業がサポートメニューを提供している。出版社の各誌無料公開や食事のサポートなど、その形態はさまざま。ここではいち早く公開をした4社に話を聞いた。
READYFOR「新型コロナウイルスによる中止イベント支援プログラム」
クラウドファンディング事業を展開するREADYFORは、多くのイベントが中止や延期せざるを得ない状況を鑑み、2月27日より「新型コロナウイルスによる中止イベント支援プログラム」を開始した。
2月中旬頃からイベントが延期・中止になることによる損失費用をクラウドファンディングで集められないか、という問い合わせを受けたことが、その発端だったという。構想が上がったのが2月25日、その後2日間で適用条件やオペレーションを確定した。
3月27日時点で100件以上の申し込みがあり、うち10件を公開。Twitter上ではその迅速な対応に「何か支援をしたいと思っていた。諦めずにこういう手段を使っていってほしい」とイベント主催企業への支援手段を歓迎する声や、同社の機動力と方針を賞賛する声が相次いだ。
プログラム発表のツイートには、2019年4月から2020年1月の1投稿あたりの平均と比較し、約18.53倍の投稿のインプレッションがあったという。
CAMPFIRE「新型コロナウィルスサポートプログラム」
クラウドファンディングを通じた「新型コロナウィルスサポートプログラム」を開始したCAMPFIREも、事態が顕著になってきた1月下旬ごろから、何かできないかと模索を始めた。
「実際にトリガーとなったのは、2月27日時点での代表 家入一真の決断でした」とマーケティング本部 大畑広太氏。各担当者に業界の事業者が抱える問題などの意見をボトムアップで募り、それをもとにプログラム化。翌28日に発表に至った。大畑氏は「トップダウンとボトムアップが噛み合い、会社全体が一枚岩となったことは大きかったです」と話す。
3月27日時点での申請件数は約400件に上り、業種は飲食関連が4割、ライブハウスやイベント運営者・アーティストなどの音楽関連が2割、宿泊関連が1割、その他スポーツクラブや私塾などから構成されている。当初申し込み期限を暫定3月末としていたが、同27日には事態拡大などの状況を顧み、4月30日まで延長すると発表した。
「クラウドファンディングという仕組み自体は、自治体や既存の金融サービス・機関などでカバーできない部分を補完していけるものだと捉えています。各事業者さまにクラウドファンディングという仕組みや、本プログラムを想起していただけるよう、今後も努めて参ります」(大畑氏)